13歳からの考える訓練
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「13歳からの考える訓練」
マツダ ミヒロ 、きずな出版
目次
第1章 友だちのこと
第2章 自分のこと
第3章 将来のこと
第4章 部活や勉強のこと
第5章 恋愛のこと
第6章 家族のこと
https://youtu.be/iGchvh2qguk
要約
中高生に「魔法の質問」
著者のマツダ ミヒロさんは、中高生に「魔法の質問」の授業を行っています。中高生からの質問に、「魔法の質問」で答えるのです。質問に質問で答えるの?と不思議に思うかもしれませんが、著者は答えを教えたいのではなく、悩みに対処する考え方を教えたいのです。
例えば、「すぐにイライラします」という悩みに対しては、著者は「次、イライラしたときは、なにをする?」と質問で返しています。つまり、イライラするのは自分の感情であって、否定すべきものではないのです。問題は、イライラするという感情にどう自分が向き合うのか、どう対応するのかということなのです。
ある人は、イライラしたら、自分の好きなものを食べるかもしれません。ある人は、わざと笑うかもしれません。人それぞれ、自分に合った対処法を持っているのかどうかということなのです。
イライラの感情が出てくることも、おかしいことじゃない。抑えこむんじゃなてく、出てきたものにどう対処するかのほうが大切なんだ(p43)
親の言葉は気持ちだけ受け取る
一番興味深かったのは、親や勉強への対応でしょう。13歳といえば反抗期です。親や先生からは勉強しろ、ちゃんとしろと言われてうるさいと感じている年頃です。
例えば、親から反対されたら、どうするか。著者は、まず、親がなぜ反対しているのか、その理由を知ることだ、と言っています。親は子どものことが心配で、いろいろ口を出してくるのです。
そのうえで、自分がどうしてそれをしたいのか考えて、親に伝えるのです。すべては自分の思い通りにならないかもしれませんが、極論すれば自分の人生は自分で選択できるということなのでしょう。
親がいろいろなことに口を出してきて・・「親の言葉はスルー」。そして気持ちだけ受けとる。っていうのも、僕は親が心配して口を出してくるっているのがわかったからなんだ(p115)
君はどうしたい?
著者は学校について、行っても行かなくてもいいと言っています。そのうえで、「君はどうしたい?」と問いかけるのです。また、どうして勉強しなきゃいけないの?という質問に対しては、大事なのは、勉強することより、勉強の方法を知ることじゃないかとほのめかしているのです。
答えを断定しないところが、やさしさを感じました。答えは、一人ひとりの心の中にあるはずなのです。自分を否定せず、自分を励まし、自分のやりたいことを理解してあげることで、選択肢が絞られていくはずなのです。
大切なのは、やりたいことを見つけることじゃなくて、「やりたいことは何だろう?」と考えることなんだ(p59)
自分なりの答えを探す
反抗期とは、自分で考え始める時期なのだと思いました。ある人は、自分には取り柄がない、友だちが少ない!と悩んでいるかもしれません。またある人は、親から認めてもらいたいかもしれないのです。そうした悩みに、自分なりに答えを探しはじめる時期なのです。
そして、そうした悩みに対して、自分なりの正解を見つけるまでは、苦しい時期が続くかもしれません。しかし、いずれ自分が成長すれば、悩みも解決していくのです。13歳というよりは、大人にも通用する内容でした。ミヒロさん、良い本をありがとうございました。
引用
・取り柄がない・・だれかを手伝ったり応援したりしているうちに、自然と取り柄が見えてくる(p37)
・親から認めてもらいたい・・でも、その前に、自分で自分のことは認めてあげてるかな?(p113)
・会話がうまい下手より、相手に関心があるかどうかってことが大切じゃないかな(p17)
・「自分を元気にする秘密のノート」・・エネルギーが下がったりしているときこそ、このノートを開いて、自分に言葉をかけるんだ(p27)
著者経歴
マツダミヒロ(まつだ みひろ)・・・質問家。ライフトラベラー。NHKでも取り上げられた「魔法の質問学校プロジェクト」を、ボランティアでロンドン、プラハ、シンガポールなど各都市の学校で実施。また、ニューヨークの国連国際学校(UNIS)でも授業を行う