100分de名著ル・ボン『群衆心理』
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出版社 : NHK出版 (2022/10/25)
発売日 : 2022/10/25
ムック : 97ページ
ISBN-10 : 4142231456
著 武田砂鉄
引用
群衆はバイキンのように作用する
「群衆」とは何か。ル・ボンがそう呼んでいるのは、特定の心理作用を起こした人々です。どんな心理作用かというと、一つは「意識的個性の消滅」。いま一つが「感情や観念の同一方向への転換」です。
「わかりやすさ」を好む社会
「断言」「反復」「感染」の恐ろしさ
部分の集合は全体ではない。個人が見えてこなくなるのが群衆の恐ろしさ。流行りのビジネス書で学ぶより、こういった古典から読み取れることは多い。ここが原点であるのかも。分断・共通の敵を設定と今の社会で起きていることにも共通項が多く、頷くと共に唸ってしまった。社会の様々なレイヤーの中で考えると、どこかのレイヤーでは群衆になっていることを避けられない世の中であるのかもしれない。自分は群衆の一部であることを自覚しつつ、たまにはその状態からリセットをかけるために森に入る。身体感覚を持っておくことが、たまにはそこに立ちかえる場と機会を自分で用意できていることが、群衆になりすぎないための予防線なのだろう。別に群衆の一員として生きていくのは何不自由ないとも言える。でもある時に自分の意思を発揮したくとも群衆に埋もれていてはそれはできない。自分らしさ、「私」という意思決定をしたければ、これは批判的に捉える必要あるのだ。情報の複雑な世の中、さぁどちらを、どの群衆に所属するのか、いやしないのか。日々の暮らしの様々な場面でそのトリガーが用意されている。気づくか気づかないかは私次第、あなた次第。
マーケティングのマニュアルとも読めるし、危険な良書だ。