脳の外で考える
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『脳の外で考える』アニー・マーフィー・ポール・著 松丸さとみ・訳 ダイヤモンド社
◆目次◆
はじめに
第1部 体で思考する
第1章 感覚を使う
第2章 動きを使う
第3章 ジェスチャーを使う
第2部 環境で思考する
第4章 自然環境を使う
第5章 建物の空間を使う
第6章 アイデアの空間を使う
第3部 人と思考する
第7章 専門家と思考する
第8章 仲間と思考する
第9章 グループで思考する
まとめ
本日ご紹介する一冊は、学習と認知について世界中で講演をし、TEDトークは260万人以上が視聴、ニューヨーク・タイムズ、イエンティフィック・アメリカンなどにも寄稿実績のある科学ジャーナリスト、アニー・マーフィー・ポールさんによる一冊。タイトルに『脳の外で考える』とあるように、本書ではわれわれの能力開発に役立つ、自力で考える以外の有効な方法を提案。
内受容感覚を鍛えることで金融業界で成功できる、感情にラベルをつけることで恐れや不安を抑えられる、心拍数を脳に勘違いさせて感情を自在に作る、覚えたい内容と動きを結びつける、フラクタル模様を見ると考える力が上がる、天井が高い場所にいると思考が広がる、大きなディスプレイを使うとパフォーマンスが上がるなど、職場で試してみたいアイデアが数多くあり、これから引越し、オフィス移転を考えている人には、ヒントが満載です。
経営者は、どんなオフィス環境が社員のやる気や生産性を高めるか、思っている以上に学びがあると思います。(オープンオフィスで社員が電話する環境は、今すぐやめておいた方がいい)
最近みんなが陥っていて、一向に成果の出ていない「独自性」「個性」の罠に気づく、良いきっかけにもなると思います。
赤ペンチェック
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金融業界で活躍する人は、必ずしも教育水準や知性が高い人ではなく、「内受容シグナルに敏感な人」
優秀な人たちは極めて不快な内受容感覚を経験すると、むしろ認知能力が向上する
ボトックス注射を打つと他者の感情に鈍感になる
座った状態とウォーキング状態の「検出率」を比較すると、結果は明らかでした。座った放射線科医が画像に写る異常を見つけられた割合は平均85%でした。一方でウォーキングをした放射線科医は、平均99%とほぼすべてを特定できた
村上が「空白」と呼ぶものを、科学者は「一過性前頭葉機能低下」と呼んでいます。前頭葉とは脳の前方の領域で、計画、分析、批評を行い、通常は思考や行動をしっかりとコントロールしています。しかし激しい運動の要求をやりくりするためにすべてのリソースがそちらに充てられると、前頭前野からの影響は一時的に低下します。前頭葉の機能が緩く低下した状態だと、アイデアや考えが自由に交じり合うようになり、いつもとは違う意外な考えが浮かんできます
俳優も動きがなければ、せりふを忘れてしまう
人間がもっとも効果的に問題を解くことができるのは、与えられたシナリオのなかに自分をイメージできるとき
ジェスチャーに触れる機会が少ないと語彙が少なくなる
フラクタル模様を見ると、考える力が上がる
オープンな職場の「音」が思考を妨害する
「自分の場所」だと思えるとパフォーマンスが上がる
人は、自分のアイデンティティや所属団体を表す何かしらのものがある場所では、パフォーマンスが上がる
天井が高い場所にいると、人は思考が広がる
小さなディスプレイを使うと知的能力が枯渇する