一度読んだら絶対に忘れない金利の教科書
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『一度読んだら絶対に忘れない金利の教科書』
中島上智・著 SBクリエイティブ
本日ご紹介する一冊は、この金利について、一橋大学経済研究所教授の中島上智さんが書いた一冊。シリーズ累計150万部を突破している「一度読んだら絶対に忘れない」シリーズからの出版ということで、図も入った見やすい紙面となっています。
著者は日本銀行や国際決済銀行(スイス)で勤務した経験があり、計量経済学、統計学を専門とする人物。日本銀行では、主に政策効果の分析や、景気予測モデルの開発に重視していたようです。本書の基本スタンスは、日銀の視点で読み解けば、金利の仕組みがわかる、ということ。
<日銀を主役にしたストーリーで金利を読み解くことによって、ニュースによく登場する「政策金利」「短期金利」「長期金利」などから、市中銀行(民間の銀行)による企業向けの貸出金利、そして「住宅ローンの金利」「銀行の預金金利」まで、一見、バラバラに存在しているように思えるすべての金利が1つにつながる>というのです。
確かに、本書を読むことで、日銀が何をコントロールしているのか、何が長期金利に影響するのかがリアルにわかり、また為替や物価との関係もよくわかります。多くの人が期待している、長期金利の上昇について、詳しい解説はありませんが、金利の基本を学びたい人には、アリな一冊だと思います。
引用
コール市場で仲介をする会社はおもに「短資会社」と呼ばれます。日本には数社の短資会社があり、円滑な取引が行われるための重要な役目を担っています
日銀は「コール市場の金利」を動かしている
日銀が動かす金利というのは、コール市場における、担保を使わない1日間だけの貸し借りの金利、つまり「無担保コールレート(オーバーナイト物)」
日銀当座預金の総額が少ないとき、コール市場の金利であるコールレートは高くなります
日銀当座預金が少なくなり、コールレートは高くなりそうでしたが、日銀が市中銀行から国債を買ったことにより、高くならずに済みます。反対に、日銀当座預金の総額が多くなる場合、つまり、コールレートが低くなりそうな場合は、日銀は市中銀行に対して「日銀が持っている国債を売りますよ!」と呼びかけるのです。すると、お金が余っている市中銀行は、そのお金を使って日銀から国債を買います。買うときの代金は、その市中銀行の日銀の口座から振り込まれます。つまり、日銀当座預金の総額が減るわけです。そして、下がりそうだったコールレートは、下がらずに済みます。これが、まさに「日銀が金利を動かす」ことの原点
公定歩合の新しい名前は、基準割引率および基準貸付利率
日銀は、基準貸付利率を、政策で決めたコールレートの水準よりも少しだけ高く設定しています
通常、1~5年程度の貸し借りの金利のことを中期金利と呼びます
「国債を欲しい人がどれくらいいるか?」が長期金利に影響する
保険会社は、加入者に長期間の保障をする仕事なので、長期間、安定して運用できる方法が必要だからです。そのため、保険会社は20年物や30年物の国債を金利が低かったとしても買うのです
多くの人が「日銀は、どうやら予想よりも早く金利を上げそうだ」と判断すれば、長期金利は上がります
取引されている国債の中で、実質金利を見ることのできる特殊なものがあります。それは、物価連動国債と呼ばれる、利子がインフレを考慮した分だけもらえる国債です
物価の動きを決める3つの要素
(要素1)需給ギャップ
(要素2)輸入価格
(要素3)インフレ予想
◆目次◆
はじめに 金利はストーリーで学べ!
第1章 なぜ、日銀が金利を上げ下げしているのか?
第2章 金利はここから始まる。日銀が開催する政策決定会合
第3章 日銀は金利をどのように動かしているのか?
第4章 日銀によって影響を受けている金利
第5章 日銀が距離を置きたい為替と株価
第6章 日銀が目標とする物価と景気
第7章 日銀が直面する海外経済
第8章 日銀が苦心する政策の壁
おわりに