こだわりとご機嫌について
言い方をかえれば、ごきげん状態が達成・維持されているかという点を評価軸に加えれば、こだわりへの没頭具合が評価できる。つまり「こだわりを持つことはいいことだ」と単文で構成してしまうと、それが増長してしまうことが避けられない。一方で、「ごきげんが維持されている限り」、というようなもう一節を加えることで、その二つの要素に「関係」が生まれ、指標が調整し合うことになる。
こだわりによってご機嫌になると一方向に考えていましたが、引用のとおり、ご機嫌とこだわりは双方向に影響し合う関係性でした。引用文でいえば、ごきげん状態のX軸と、こだわりへの没頭具合のY軸で座標が構成されます。この座標をふまえて、以下の引用をもとに、どのようなグラフになるか考えてみます。
強すぎるこだわりはそのご機嫌を損なうであろうことが予想される。つまり、ちょうどよいこだわりであることも重要な要件だろう。
まず最初に、「強すぎるこだわりはそのご機嫌を損なうであろう」という点。この具体例として思い浮かんだのは、美味しんぼに出てくる海原雄山でした。
海原雄山は主人公 山岡士郎の実父でありながら、食や書道、陶芸に対して究極的にこだわるあまり、家庭生活にも高い水準を要求して、その水準に食事が満たないと激怒していました。
したがってこだわりが強すぎると、そのこだわりの達成感(実現可能性)が低くなりご機嫌をそこなうと言えそうです。
とはいえ何もこだわりなく過ごすことも、ご機嫌になるとは言えないでしょう。
これらを踏まえるとこだわりとご機嫌の関係性は、上に凸型の逆U字のグラフになります。そのグラフの頂点を探るように、ちょうどいいこだわりとご機嫌のポイントがありそうです。とはいえグラフはイメージであり、実際に数値化して検証はできません。実際にはログを手がかりに、こだわった結果とそのときの気分を記録して振り返るような感じで検証してみましょう。