ポストクァントマニアから振り返るサノス
クァントマニアの感想はかなりガッカリテンションで、というのもカーンの怖さが全然描けていなかったことも一因としてあったなと サノスの行動原理は筋が通っていて、だからこそ恐ろしくもあるわけで
一応 SF なので宇宙としての資源は有限だと語るサノスだけど、それは地球のメタファーだとおもっていて、この星の資源も有限なのである 地中に埋蔵されている資源はもちろんだけど、地表の大きさも有限なわけで、総日照量というハードキャップがあり、日照量当たりの食糧生産効率をあげるという方法もあるだろうけど、それにしてもこの星にも住む人口のキャパシティがあるわけで
まあSF的な解としてマトリックスみたいに人間の精神をネットワーク上にアップロードして、擬似的な信号を送ることで肉体の軛から解き放たれて、より高効率にこの星に人類をたくさん存在させることもできるかもしれない 発展した星に侵攻していたのは、単に私利私欲によって侵略していたわけではなく、ある意味ではその星に住む生命体のことを本当に想って無作為に半分を消し去るという活動をしていただけなのであって
自分と似たような生命体に対してそういう行いはどうなんだって感覚にならんでもないけど、畑をやる時に多めに蒔いて間引いたりするし、農作物の品種改良の過程や動物の選別なんかを人類史を通して我々は行ってきているわけで、改めて驚くような話ではないわけである
ソウルストーンを得るために娘のように育ててきたガモーラを犠牲にしているというのもまた、サノスの献身さを表しているとおもう(善し悪しは別として) やれ SDGs だの、サステナビリティだのとお題目として唱えられていても、真にそういった取り組みをしているのは一握りだと感じている ナントカウォッシュと揶揄されているように、上辺だけの連中が結構いる感じがする
ただまあ、人口の問題に関してはいわゆる先進国と呼ばれる国々は勝手に少子高齢化して自浄的に解決してくれているから、怒れるタイタン人がいなくても、勝手に数十年後にはパッチン後の世界になっているのであろう
エンドゲームではそんな世界をしてキャップが「空気もきれいになったし、川にはクジラが〜」などと話していた気がするけど、実際のところ本当にそれが起こったらどうなるんだろう? 一方のカーンはというと、今のところ在り続ける者としてのカーンは全知全能の存在に飽きていて....というのは結構雰囲気としてよかった
逆にあっちのカーンに煽られていただけにクァントマニアのカーンが余計ザコくみえた気もする
インカージョン(ロキのカーンのいう多宇宙戦争がインカージョンってことだよね...?)で他宇宙に侵攻しようとするカーンは割と私欲っぽい感じがする カーンがいっぱいいる、みたいな絵面はウルトロンで既視感があるしなあ... エンドゲームでは、そんなサノスの哲学に対して暴力によってそれを突っ返して勝つっていう解決を採ったので、うるさい人にはそこをくどくど言われることになってしまった しかし、カーンに関してはクァントマニアでもスコットがうっすら懸念していたように、1人を暴力的に追い返したとしても次から次へマルチバースから襲ってくるんだろうし、どーすんの?というのと、このエンドゲームからの宿題をどうマーベルスタジオが解決してくれるのか、そういう意味では楽しみ あと絶対言っておかないといけないのは、怒れるタイタン人を演じてくれたジョシュ・ブローリンビガップ!!