20251212
#1212
三体 1&2 (Audible版) 感想 (ネタバレあり) #書きかけ
1巻はKindleで買ったんだけど、とにかく中国名が全然読み方入ってこなくて、毎回ルビ振るかカタカナ表記にするかしてほしいな〜ってところで突っかかって詰んでいた
ネトフリ版がきて、これか!?となったんだけど、話を聞くにドラマではだいぶ改変されていると聞いて原作に戻りたい気持ちがすごくあったのだけど、上述の問題をどうしようかな〜というところで気付いたのがAudible版である
1巻が苛烈な文革のエピソードから始まるのは Kindle 版で読んだのをよーくおぼえてて、さすが中華SFだなあ!と
文革のリンチで父を亡くしたイェ・ウェンジェが地球三体協会こと ETO を立ち上げて、三体世界の侵略を手助けしていて〜というところから話が立ち上がってくる
本で読んでた時は、ワン・ミャオがVRゲームの三体(ETO が三体の価値観を布教するために作ったゲームらしい)をやってるくだりぐらいでついていけなくなったのだが、そこからダーシーことシー・チァン(ちなみに、ダーシーだけはネトフリ版のせいで完全に脳内イメージがウォン)とのコンビで ETO に迫っていくあたりはバディものっぽくてかなりかなり面白かった
ワン・ミャオはナノマテリアルの研究をしていたのだが、ナノマテリアルは三体世界の地球技術コントロール視点でアウトだったらしく、ソフォンに脅迫されるハメになる
なんというか、終わってみるとこの頃は ETO がそこまで武闘派組織じゃなかったのか、なかなかまだるっこしい方法で脅迫してくるなあ、という感じである
ETO 内の一派であるジャッジメント号が三体世界とソフォン通信していたところ、先方が「どうしても理解できない事柄があるんだが〜」と言ってきて、ワケを聞いてみると「なぜ地球人は考えると話すが別々の動詞なんだ?同音異義語じゃないのか?」とのこと
三体人は何やら思考すると光るんだかなんだかわからんが、とにかく思考は周囲の個体から丸見えなので、権謀術数を巡らすようなことがないらしい
この設定には唸った。確かに声帯でコミュニケーションをする不思議な生物だよな、オレたちは....
そして、トランスペアレント生物からしてみたらブラックボックス生物と相対するのはあまりにも怖すぎるだろう
しかし、逆に考えてみるとマジでこの星はよくこのシステムで成り立ってるよな......
恐れをなした三体人は科学技術で圧倒しているうちに地球人の技術発展を妨げて、滅ぼした上に地球に移住しようとしてくるってのが1巻のだいたいの流れ
三体人はその名の通り3つの恒星の周りにいるせいで乱季と恒季が予測不能に入れ替わるために文明を維持するのが難しくて仕方ねえと
三体問題はうっすら知ってたけども、なるほどこいつぁ難しいなあとおもった
そんな厳しい生存環境なもんで、三体人は脱水という己の水分を抜いて巻物みたいにして保存しとけるように発達したらしい
ダーシーたちの活躍もあって、事態が白日の下に晒され、三体世界からは「虫けらどもめ」と事実上の宣戦布告をしてくる
科学技術の発展が封じられてしまったことを受けてしょぼくれるワンだったが、それに対してダーシーは「蝗害を見てみろ、あいつら何千年も前から人類に目の敵にされてきたのに全然ピンピンしてるんだぜ」と励ましてきて、確かにそうだなとおもった
コズミックホラー的な作品を読んだりすると、宇宙規模で考えて己は塵以下のなんでもない存在なんだナ......とだいぶ落ち込むのだが、本作では蟻がイェ・ウェンジェに薫陶を受けるルオ・ジー、そのルオが三体世界と相互確証破壊をもって交渉を持ちかける場面で象徴的に登場するが、蟻からしてみたら真横で2つの文明を左右するとんでもねえ事件が起きているのなんて認知しようもないし、認知したところで「知らんがな」だろうし蟻は蟻らしく生きていこうとおもった
三体世界からの宣戦布告を受けて、地球陣営は国連の機能を強化して対策をはじめる
ここから西暦を捨てて危機紀元という暦に変えたらしい
三体世界を出発した三体艦隊はゆーても光速の何割とかしか速度が出ねえので、太陽系に到達するには400年の歳月がかかるという
その計画のひとつが面壁計画で、ソフォンが不可侵の領域としての「人間のイマジネーション」を武器化する、というものだった
この辺から2巻に入っていき、ダーシーは国連の指揮下で働いていてウォールフェイサーとして指名されたルオ・ジーの護衛として登場する
4人いるウォールフェイサーのうち2人は国家首脳クラスの人間なのだが、しがない研究者でしかないルオはなぜかウォールフェイサーに指名されてしまう
ここら辺はセカイ系っぽいな、とはおもった
選出された理由は、唯一 ETO が三体世界の命を受けて暗殺しようとしていたのがルオ・ジーだったので、博打としてルオに賭けてみる.....ということだったのだが、三体世界は結局何ゆえルオをそこまでして殺したかったのはイマイチ謎だった
イェ・ウェンジェの薫陶を受けて宇宙社会学を起草していたから.....なのかなあ?
一応物語的には2つの世界を文字通り救うわけだが、シンジくんよろしくだいたい受け身なので三体世界は別にただ放っておけば良かったんじゃね、とおもってしまう
4人いるうちの2人はウォールブレイカーに策を見破られ、片や自殺し、片や怒れる自国民にリンチされ.....
妻子を人質にとられたウォールフェイサー・ルオは、何を思ったのか宇宙に向けて何やら呪文を送信したところで ETO の開発した生物兵器によって危篤状態となり、長期冬眠に入る
「そして200年が経った....」
エンドゲーム以来の時間跳躍にデカい声がでてしまった
一時は大恐谷(?)どういう字を書くのか分からんが、まあグレートデプレッションを人類は経験するのだが、それから核融合技術の発展によってエネルギー問題が解決し、かなり享楽的な種族と化していた
スペースコロニーが存在していて、スペースノイドとアースノイドに分かれているあたりはガンダムっぽいというかなんというか
ヨーロッパ連合艦隊、北米艦隊、アジア艦隊の3セクターに分かれており、軍政というほどではないが各艦隊の中で相当政治力学があるらしい
2巻は結構群像劇で、時折挟まってくるジャン・ベイハイという軍人や、中華老人の寄り合いはどーなるのかな〜...とおもっていたらジャンは未来先遣隊に選出され、冬眠していたら200年後に起こされてアジア艦隊に招集されて、ナチュラルセレクション号の艦長代行に任じられる
これは、ウォールフェイサーの1人がメンタルシールという技術を開発して、これは一種の催眠装置のようなものなんだが、軍内部に刻印族と呼ばれる逃亡主義を奉じる集団がいるんじゃないか〜つーことが判明して、信じられるのはメンタルシール開発前に冬眠に入った人間だけや....!! ということになったせいらしい
一方のジャンは根っからの逃亡主義者で、この機に乗じてナチュラルセレクション号をハイジャックし、深宇宙へと逃亡する
そうこうしてるうちに三体艦隊の先遣艦が太陽系に飛来して、涙滴型の形状をしてる関係で水滴と呼ばれるのだが、この水滴が一騎当千とばかりに地球連合艦隊を次々に撃破し、やはり技術差は無視できるモノではなかったんや.....つーことを人類に思い出させてくれる
これを受けて、ジャン率いるナチュラルセレクション号と、その追撃艦たちはスターシップ・アースを名乗り、太陽系からの独立を宣言する
一方の地球は、一時的には三体人たちを憐れむまであったのに、希望を打ち砕かれて絶望する者や、より享楽さが加速する者などで溢れた
ルオはいよいよ世界を救うために行動を開始する.....んだが、別に地球の側は取り合ってくれるわけではなく....という
作中でも「探査機ひとつに大仰だなあガハハ」なーんて言われていたがまさにそうで、パラドゲーはじめてやった人じゃねえんやからそんなピン刺しで戦力を投下すんなよな.....
ましてや敵のケイパが分かってない状態でノコノコ接近するのはアホすぎんか、あと艦が爆散したらそりゃあデブリだらけになるだろうし(最近中国の宇宙船がデブリにぶつかってたよな)宇宙でなんらか演習したりすりゃあその辺分かりそうなもんだが....というようなツッコミ心を持ちながら聞いていた
ここまでは結構ハードSF寄りかなあ、という手触りだったけど急にチープだな、とおもってしまった
あと、むちゃくちゃどうでもいいけど冬眠者の中国系下級士官だけが事態に気付いていて.....みたいなのは共産党への目配せなんかなと思わんでもなかった
スターシップ・アースでは、スペースノイド特有の精神状態なのか分からんが、目的地には全員が辿り着けないという諦観というか、深刻な集団鬱のような事態に陥っていた
最終的には未来の音波兵器っぽい低周波水素爆弾によって互いの艦をロックオンしあっており....
ジャン視点だと1テンポ判断が遅く(ナチュラルセレクション号のクルーも遅かった)、別の艦の水爆によって乗組員が全滅する