わたしの公開資料から読み取る主張と変遷
#キャリア #学習 #価値創造 #AI時代のエンジニアリング #モデリング #無邪気さからの脱却 #公開資料まとめ
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これまでの公開資料をNotebookLMにまとめてもらったら、割ときれいな文章が出てきたので残しておく。
主張と変遷
prompt:
提示したソース群は、わたしがこれまで登壇やブログ執筆などの機会を得て発表してきたものです。ソース群を下記の観点で分析してレポートして。
その主張に一貫すること
時系列で考え方が変わったこと
考えが変わったことの要因と思われること
ans:
一貫する主張
エンジニアリングの本質は「価値提供」にある。
単に技術を使うこと自体が目的ではなく、「誰に・どんな価値を届けるか」 がエンジニアリングの本質であると繰り返し強調されています。
開発プロセスにおける「How」(どのように)は劇的に変化する可能性があっても、「Why/What」(なぜ・何を)というエンジニアリングの本質は変わらないとされています。
この価値提供を実現するために技術を適用することがエンジニアの責務です。
「偶有的な複雑性」を排除し、「本質的な複雑性」に集中する。
ソフトウェア開発には、差別化要因となる「本質的な複雑性」と、組織の拡大や長期運用で蓄積された「偶有的な複雑性」があるとし、後者を取り除いて前者に集中することの重要性を説いています。
エンジニアの役割は、価値提供に伴う偶有的な複雑性を隠蔽することであり、AIはこの偶有的な複雑性を抽象化する手段として位置づけられています。
「おもしろそう」を原動力としたキャリア形成と学び。
自身のキャリアを「おもしろい」と感じることを追求する「おもしろそうドリブン」で築いてきたことが語られています。
興味の赴くままに貪欲にインプットし続けること(雑食的な学び)が、知識や経験を繋げ、新たな視界を開くことにつながると提唱されています。
失敗は無価値ではなく、成長の糧であるという前向きな姿勢も一貫しています。
モデリングの重要性。
ビジネスを深く理解し、ソフトウェア設計に繋げるための手段として、モデリングの有効性を強く主張しています。
複数の抽象度を持つモデルを使い分け、多角的な視点(具体/抽象、動的/静的)で問題領域を捉え、理解を深めることが、より良いソフトウェア設計に繋がるとされています。
モデリングは、単なる形式的な作業ではなく、不確実性との対話であり、継続的な改善のサイクルの一部であるという認識が共通しています。
時系列で考え方が変わったこと
1. AIに対する認識とエンジニアの役割の深化:
2025年3月以前(「AI-Agent時代のエンジニアの役割と野性」、「DeepManabiCon2025」):
AIの台頭を認識し、その急速な動きに衝撃を受けている様子がうかがえます。
当初はAIを「コーディング作業の自動化」「偶有的な複雑性の抽象化」の手段として捉え、エンジニアの役割は「価値探索とAI-Human Interfaceのスペシャリスト」へ進化すると提案しています。
AIが複雑なタスクを扱う上で「固有の文脈(コンテキスト)」を知らないという課題を認識しています。
2025年7月以降(「AI時代のエンジニア育成課題をモデリングとLLMでなんとかする」):
AIがビジネス知識を「カプセル化」し、結果として現場から「文脈知識(コンテキスト)」が失われる可能性への強い懸念を表明しています。
AIが単なるツールではなく、「ビジネス知識の継承」や「ビジネスアジリティの源泉」になり得ると強調しています。
エンジニアの役割は、AIに適切にコンテキストを与え、生成されたコードをレビューし、システムが自動化されてもビジネスの目的を理解し、「ビジネスのコントローラビリティ」を保持することの重要性を強く打ち出しています。
人間が「記述」しなくなり、AIが作ったものをレビューするのも大変になるという、より進んだ未来の課題にも言及しています。
2. モデリングの目的と範囲の具体化:
初期(「DeepManabiCon2025」):
モデリングを「価値をより効率的に提供する方法を探る」手段として挙げていますが、具体的なモデルの種類やそれらがどう連携するかについての詳細な言及はまだ少ないです。
AIがn:nの関係性を持つネットワーク形成には不十分であるという課題も認識しています。
後期(「ビジネスとアプリケーションを繋げるモデリング」、「業務理解の深化と実践」、「イベントストーミングから始めるドメイン駆動設計」):
戦略マップ、ビッグピクチャー、コンテキストマップ、プロセスモデル、概念構成図といった多段階のモデリング手法を体系的に提示し、それぞれのモデルが果たす目的(競争優位性の特定、業務領域の特定、業務間の関わり、プロセスの構成要素発見、新たな洞察の獲得)を明確にしています。
特に、ビジネスエキスパートとエンジニア間のギャップを埋めるために、「プロセスモデル」から「ドメインモデル」への変換を助ける**「概念構成図」の独自活用を提案し、その効果を強調しています。
モデリングを通じて「流れ」から「構造」を導き出し、「ちゃんと設計する」**ことの重要性がより具体的に、かつ実践的な文脈で語られるようになっています。
3. 「おもしろそうドリブン」から「目的ドリブン」への昇華:
初期(「元バーテン・出遅れSESが気づいたらシニアアーキテクトと呼ばれるようになったワケ」):
自身のキャリアの軸を「おもしろそう」という純粋な興味・関心に置いていたことが語られています。
後期(「「おもしろそうドリブン」のキャリア形成」):
「おもしろそうドリブン」の学びが、やがて「〜しなければならない」から 「〜したい。だから〜しなければならない」 という「目的ドリブン」へと昇華すると述べられています。これは、単なる個人的な興味だけでなく、事業全体の目的や組織への貢献といった、より高い視座での「面白さ」を追求する姿勢へと変化したことを示唆しています。
考えが変わったことの要因と思われること
AI技術の爆発的な進化と市場の反応:
2024年末からのDevinやCursorといったAIエージェントの出現と、それに対する業界の「プログラミングの終わり」といった反応が、エンジニアの役割の再定義を加速させる直接的な要因となっています。AIが単なるコード補完ツールから、より広範な開発プロセスを自動化する可能性を持つ「エージェント」へと進化する中で、人間が集中すべき領域がより明確になったと考えられます。
大規模基幹システム刷新の現場経験:
MonotaROにおける複雑な基幹システム(「神テーブル」に代表される密結合点)のモダナイズという具体的な課題に取り組む中で、理論だけでなく、実践的なモデリング手法やアーキテクチャ設計(DDD, CQRS+ES, レイヤードアーキテクチャ)の「必然性」を痛感しています。この実務経験が、モデリングの具体的な進め方や、ビジネスと技術のギャップを埋めるための独自のアプローチ(概念構成図など)の発展に繋がっています。
組織内での知識継承と学習の課題認識:
新規参加エンジニア(特にジュニア層)やAIエージェントが、OJTだけでは獲得しにくい「文脈知識」の重要性に気づいたことが、モデリングを通じた知識の形式化と継承、そしてAIをそのための手段として活用するという考え方に繋がっています。AI時代のエンジニア教育という新たな課題が、この分野への深い考察を促しています。
自身のキャリアと視座の広がり:
バーテンダーからエンジニアへ、そして下流工程から事業会社の超上流工程、EM、シニアアーキテクトへとキャリアを進める中で、自身の仕事の「顧客」や「価値」の捉え方が、個別のタスクから組織全体、事業全体へと拡大しています。この視座の広がりが、「おもしろそう」という個人的な動機を、より大きな「目的」や「事業価値」に貢献する活動へと結びつける原動力となっています。また、外部のロールモデルとの出会いも、自身の思考を拡張する重要なきっかけとなっています。
哲学的考察の深化:
仏教用語「四諦八正道」を座右の銘とするなど、キャリアや仕事に対するより深い哲学的な思考が、表層的な「面白さ」から、本質的な「目的」へと自身の原動力を昇華させる土台になっていると考えられます。