CDO
Q: リーマンショックで、サブプライムローンの債権を分割して組み込んだ金融商品は、なんといいますか?
|### Ans
リーマン・ショックを引き起こした要因の一つに、サブプライムローン債権を分割して組み込んだ複雑な金融商品があります。この金融商品を総称して**証券化商品**といいます。
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### 証券化商品とは?
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証券化商品とは、住宅ローンなどの債権を複数のスライスに分割し、それぞれのスライスに異なるリスクと利回りを与えて投資家に販売する金融商品です。
### 証券化商品の種類
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サブプライムローン債権を組み込んだ代表的な証券化商品には以下のようなものがあります。
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* **住宅ローン担保証券(RMBS:Residential Mortgage-Backed Securities)**
* 住宅ローン債権を直接証券化したもので、サブプライムローン問題の根源となった商品の一つです。
* **合成債務担保証券(CDO:Collateralized Debt Obligation)**
* 複数のRMBSや他の債券を組み合わせ、さらに複雑な構造にした商品です。
* 信用リスクの低い部分から順に複数のトランシェ(層)に分割され、それぞれ異なる利回りと信用力が与えられました。
### 証券化商品の問題点
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証券化商品は、金融機関がリスクを分散し、効率的に資金調達できるというメリットがある一方で、以下の問題点がありました。
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* **複雑な構造**
* 商品の構造が非常に複雑であったため、リスクを正確に評価することが難しく、投資家もリスクを十分に理解できていませんでした。
* **透明性の欠如**
* 証券化商品に組み込まれている資産の詳細な情報が公開されていなかったため、投資家は裏付け資産の質を把握することが困難でした。
* **リスクの集中**
* 多くの金融機関が同じような証券化商品に投資していたため、一つの商品に問題が生じると、金融システム全体に影響が波及するリスクがありました。
### リーマン・ショックとの関係
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サブプライムローン問題では、米国の住宅市場の崩壊に伴い、多くのサブプライムローンがデフォルト(債務不履行)となり、その結果、証券化商品の価値が大幅に下落しました。この証券化商品の価格暴落が、金融機関の経営を悪化させ、最終的にリーマン・ショックを引き起こす一因となりました。
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### まとめ
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リーマン・ショックは、証券化商品の複雑な構造や透明性の欠如といった問題点が露呈した結果、発生した金融危機でした。この教訓から、金融商品の複雑化を抑制し、透明性を高めることが重要であるという認識が広まりました。
**補足**
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* **トランシェ**:証券化商品を複数の層に分割したものをトランシェといいます。信用リスクの低いトランシェは高い利回りが得られる一方、デフォルトのリスクも高くなります。
* **デリバティブ**:証券化商品は、デリバティブの一種です。デリバティブは、ある資産の価格変動に連動してその価値が変動する金融商品です。
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