黒字とは
>政府の赤字はみんなの黒字と言ってる人は正気ですか
=>正気ですね
経済学的にも
会計処理的にも
誰が考えても正しい判断です。
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経済学的には、以下な感じです。
経済学では、経済の状況として、以下の恒等式が成立します。この式は、最終的にこの式を満たす状態で、経済が成立するということです。
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GDP=C+I+G+NX:民間消費+民間投資+政府支出+純輸出…①
GDP=C+S+T:民間消費+民間貯蓄+政府徴税…②
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①と②より
GDP=C+I+G+NX=C+S+T
G-T=S-I ‐ NX
G-T:政府支出のうち、政府徴税でまかなえなかった分=政府の支出赤字
S-I:民間貯蓄のうち、民間投資にまわらなかった分=民間の貯蓄黒字
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NX:純輸出を無視すると
G-T≒S-I…③
政府の支出赤字≒民間の貯蓄黒字…④
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この式③は、次のことを意味しています。
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民間貯蓄が全て、民間投資にまわらないと、経済全体としては、投資が不足しているため、政府が、赤字をもって、民間の投資不足を、穴埋めしている。
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つまり、政府の財政支出は、民間の設備投資不足を補うために、政府が、インフラ投資をしている分と、言うことができます。この分は、昭和の頃は、インフラ投資で埋めていました。現在は、経済の安定化を目的に、支出されるようになりました。このような対策を、ケインズ政策といいます。
ケインズ政策では、
去年の供給力>今年の需要量、の場合に、去年に確保されていた供給力(労働者)が充分に活用できず、労働者が失業すると、想定しています。で、去年の供給力を維持できるように、労働者にジョブを提供しています。つまり、
去年の供給力>今年の需要量、の状況の場合に、
去年の供給力≒今年の需要量、の状況になるように、
「去年の供給力ー今年の需要量」分のギャップ(需給ギャップ、デフレギャップ)を、国債を発行して、マネーを確保して、政府が、市中に財・サービスを購入し、市中にマネーをバラまいています。これは、失業者対策のためです。失業者が増えると、国民生活の厚生が保てないからです。 .
この際、政府は、以下の指標をみて、財政支出の適正量を決めています。
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① 失業率3~4%
② GDP前年比0~1%
③ インフレ率2~4%
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アベノミクス前までは、項番①、項番②を基準に、財政支出をしていました。昭和の頃は、この基準で良かったのですが、平成では、項番①、項番②の基準では、デフレ傾向になっていました。
で、アベノミクスでは、項番①、項番②、項番③を基準に、財政支出をしました。より、デフレ傾向を脱却して、ディスインフレになりました。アベノミクス後期には、失業率2.1%、インフレ率1.1%となりました。 .
>政府の赤字はみんなの黒字と言ってる人は正気ですか
=>式③、式④をみれば明らかですが、
民間が所得のうちから20~30%を貯蓄に回すため、民間の貯蓄は、毎年、25兆円以上、増える傾向です。この増えている預金と同等金額が、民間投資に、回らないと、日本経済は、民間投資不足となります。
民間投資不足の場合、経済全体としてみると、GDPがマイナスになり、失業者が増え、景気が悪くなります。
国家は、民間投資不足の場合に、国家が負債をもって社会インフラなどに投資することで、GDPを前年比プラスになるようにコントロールします。これを、ケインズ政策といいます。
ケインズ政策をする状況であれば、
式④の通り、政府の支出赤字分は、民間の貯蓄黒字分となります。算数でわかる内容です。この内容が、誤っていると発言される方は、正気ではありません。
会計処理的には、複式簿記という考えで、考えれば当たり前です。
ご質問者は、社会的な常識レベルの会計知識を得た方が良いですよ。
複式簿記では、資産(Debit)と負債(Credit)が同金額になるように、発生した伝票(トランザクション)を処理していきます。世界共通の考えで、全ての企業は、複式簿記を採用しています。
閉じた経済空間では、
資産と負債は、同額となりバランスします。
支出と収入は、同額となりバラナスします。
当たり前すぎて、これ以上は、うまく説明できません。
政府が、国債で、マネーを確保して、支出すると、
政府の持つ負債と対応する資産を民間が保有します。
政府が出す支出と対応する収入を民間が得ます。
政府が赤字になれば、民間は黒字になります。この内容が理解できないのなら、せめて、お小遣い帳を、夏休みにつけることを、お勧めします。おカネを使うことの意味を、多分、理解していないのだと思います。