積極財政はスタンダード
|## Q
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11291284136
https://scrapbox.io/files/6597f1ba97de0d0025f14e36.png
note.com.icon
|## Query Analysis
https://scrapbox.io/files/6595d3ef82589400229b7c95.png
|## Return Analysis
code:return.md
# なぜ日本政府は積極的に<br/>財政支出をしないのか
## 政府は既に積極財政をしている
## 政府はケインズ政策を採用している
## 政府の経済政策の考え方
- ケインズ政策
- 財政支出の基準
## 日本経済の<br/>状況分析
### 経済学の<br/>基本的な視点
- GDPの三面等価
- 家計の貯蓄性向とGDP
- ピケティ教授の「g<r」
- 市中へのマネー供給の仕組み
### 日本の<br/>経済政策
- 財政法4条と官僚組織の硬直化
- 政治家が経済を理解していない<br/>=>財務真理の教典
|### Outline Analysis (Scenario Analysis)
- https://markmap.js.org/repl
https://scrapbox.io/files/6595e951dfcb1900245a9c40.png
|## Ans
>なぜ積極財政を推す政党は弱小野党だけなのですか?
=>いいえ。政権与党は、積極財政ですよ。
コロナ下では、100兆円の予算を確保して、積極的に支出しています。
.
1998年より、毎年、国債で、30~40兆円のマネーを確保して、積極的に財政支出をしていますよ。
.
>政府にとって都合のいい経済学が広まっているから誰にも支持されない。ということですか?
=>そうですね。
政府は、国民生活の厚生を目的に、ケインズ経済学をベースにした経済学を採用しています。ケインズ政策を否定すると、さすがに、誰からも支持されないということです。
アベノミクスでは、ケインズ経済学を発展させた学派のニューケイジアンの考え(リフレ派)の政策に採用しました。それが、インフレ目標などの金融政策です。
===
>なぜ積極財政を推す政党は弱小野党だけなのですか?
=>日本政府は、以下の考えで、ケインズ政策をしています。
.
ケインズ政策では、
去年の供給力>今年の需要量、の場合に、去年に確保されていた供給力(労働者)が充分に活用できず、労働者が失業すると、想定しています。で、去年の供給力を維持できるように、労働者にジョブを提供しています。つまり、
去年の供給力>今年の需要量、の状況の場合に、
去年の供給力≒今年の需要量、の状況になるように、
「去年の供給力ー今年の需要量」分のギャップ(需給ギャップ、デフレギャップ)を、国債を発行して、マネーを確保して、政府が、市中に財・サービスを購入し、市中にマネーをバラまいています。これは、失業者対策のためです。失業者が増えると、国民生活の厚生が保てないからです。
.
この際、政府は、以下の指標をみて、財政支出の適正量を決めています。
.
① 失業率3~4%
② GDP前年比0~1%
③ インフレ率2~4%
.
アベノミクス前までは、項番①、項番②を基準に、財政支出をしていました。昭和の頃は、この基準で良かったのですが、平成では、項番①、項番②の基準では、デフレ傾向になっていました。
で、アベノミクスでは、項番①、項番②、項番③を基準に、財政支出をしました。より、デフレ傾向を脱却して、ディスインフレになりました。アベノミクス後期には、失業率2.1%、インフレ率1.1%となりました。
.
ケインズ政策では、国民厚生のために、基準にあわせて、積極的に、財政支出をしています。
>政府にとって都合のいい経済学が広まっているから誰にも支持されない。ということですか?
=>現代の経済学では、以下の視点があります。
1)GDPの三面等価
2)GDPと、家計の消費・貯蓄
3)GDPとマネーストックの膨張:g<r
4)マネーストック供給の仕組み
1)GDPの三面等価
経済学では、経済の状況として、以下の恒等式が成立します。この式は、最終的にこの式を満たす状態で、経済が成立するということです。
.
GDP=C+I+G+NX:民間消費+民間投資+政府支出+純輸出…①
GDP=C+S+T:民間消費+民間貯蓄+政府徴税…②
.
①と②より
GDP=C+I+G+NX=C+S+T
G-T=S-I ‐ NX
G-T:政府支出のうち、政府徴税でまかなえなかった分=政府の支出赤字
S-I:民間貯蓄のうち、民間投資にまわらなかった分=民間の貯蓄黒字
.
NX:純輸出を無視すると
G-T≒S-I…③
政府の支出赤字≒民間の貯蓄黒字…④
.
この式③は、次のことを意味しています。
.
民間貯蓄が全て、民間投資にまわらないと、経済全体としては、投資が不足しているため、政府が、赤字をもって、民間の投資不足を、穴埋めしている。
.
つまり、政府の財政支出は、民間の設備投資不足を補うために、政府が、インフラ投資をしている分と、言うことができます。この分は、昭和の頃は、インフラ投資で埋めていました。現在は、経済の安定化を目的に、支出されるようになりました。
2)GDPと、家計の消費・貯蓄
日本経済の場合、家計が所得のうちの20~30%を消費せずに、貯蓄しているため、経済全体でみると、消費が不足して、GDPが前年比マイナスになる圧力があります。
.
前述したように、政府は、GDPが前年比マイナスになると、前年に確保されていた供給力(労働者)が充分に活用できず、労働者が失業すると想定しています。なので、GDPが前年比マイナスにならないように、市中の財・サービスを購入して、労働者にジョブを与えて、失業対策をしています。
.
日本経済では、ケインズ政策が行われる状況だと、以下の状況と言えます。
.
家計が貯蓄して消費しない分=政府がGDPを前年比マイナスにしないように支出する分
=家計の貯蓄黒字=政府の赤字国債発行分=政府の支出赤字…⑤
.
つまり、政府が支出するだけ、家計の貯蓄(マネーストック)が増えるのです。
3)GDPとマネーストックの膨張:g<r
資本主義経済制度を採用すると、市中にあるマネーは、膨張します。これは、ピケティ教授が、g<rの式で言及されました。
.
日本経済の場合、市中にあるマネー(マネーストックM2:紙幣、預金)は、毎年、25兆円ほど膨張することで、経済が安定しています。
日本政府は、日本経済の安定化のために活動しています。ので、日本経済が安定するために、毎年、25兆円、市中にあるマネーが膨張するように、マネーの量を、コントロールしている立場です。
.
つまり、日本国家は、財政政策や金融政策を行うことで、市中にあるマネーが、適正に膨張するように、経済を運営しています。
4)マネー供給の仕組み
管理通貨制度を採用すると、市中にあるマネーは、民間銀行のMoney Creation機能で、供給されます。市中にあるマネーは、民間銀行が、負債を持たないと、供給されません。
.
民間銀行は、市中にいる経済主体に、マネーを貸すビジネスをしています。このマネーを貸す際に、対象の経済主体の返済能力を査定して、担保を取るなりして、ゼロから万年筆でマネーを創造して、借り手に貸し付けています。これを、民間銀行のMoney Creationといいます。借り手は、銀行に対して債務を持ち、その分のマネーを手に入れます。借り手の債務と、民間銀行側の債権は、同量となります。で、民間銀行の会計上は、借り手が返済を担保する債権(資産)と、それと同量の債務(負債)としての「預金」を持ちます。
.
市中にあるマネーの93%は、「預金」です。預金通貨と呼びます。預金通貨は、民間銀行の持つ負債となります。
残りの7%が、紙幣です。紙幣は、日本銀行の持つ負債となります。
.
市中にあるマネーは、民間銀行と日本銀行の持つ負債で構成されています。
.
2020年時点で、
市中にあるマネーストックM2(紙幣、預金)は、1200兆円、
市中にあるマネーに紐づく負債は、マネーと同量の1200兆円です。
.
2020年時点で、
市中にある日本政府の負債(国債発行残高)は、1040兆円でした。つまり、
市中に存在する負債1200兆円のうち、86%の1040兆円は、日本政府の負債と紐づいているということです。
.
日本の市中にあるマネーストックM2の90%以上は、家計が保有しており、成人一人当たり1000万円程度のマネーが供給されています。統計上、マネーストックの70%以上を、50歳以上の方が保有し、70歳以上の世帯は、平均1800万円の貯蓄があります。
.
つまり、
民間(家計)の貯蓄黒字=政府の国債発行残高=政府の支出赤字の積算分
ということです。
>政府にとって都合のいい経済学が広まっているから誰にも支持されない。ということですか?
=>以上、政府が採用している経済学について、説明しました。政府は、ケインズ政策をして、失業者対策をしています。その結果、市中のマネーストックが毎年25兆円、膨張するように、経済を安定的に運営しています。
.
>麻生さんも自ら「お金はすればいい」と過去に発言しています。発言しているのになぜすらないのか?
>日本の構造がもうできあがってしまっているからなんでしょうか?
=>ご意見は、積極財政で、ケインズ政策以上の支出をするべきということと、認識しました。
ケインズ政策以上の過剰積極財政は、賛否両論です。私も、現状の赤字国債発行30~40兆円を、35~45兆円くらい増やしても、問題ないのではと思いますよ。
.
ただ、日本の法律に、政府が、歳入以上に、歳出を増やす場合に、なるべく増やしてはいけない・・・という記述があります。財政法4条です。
.
官僚は、公僕ですので、法律を守って業務を行っています。法律を無視して、判断はできません。なので、行動原理として、法律遵守が組み込まれています。
.
ただ、前述した項番③の式で、言及しましたが、
> G-T≒S-I…③
> 政府の支出赤字≒民間の貯蓄黒字…④
.
> 民間貯蓄が全て、民間投資にまわらないと、経済全体としては、投資が不足しているため、政府が、赤字をもって、民間の投資不足を、穴埋めしている。
.
民間投資が不足している場合、政府が赤字をもって、民間の投資不足分を、公共投資して穴埋めすることになります。現在の経済状況では、民間投資が不足していますので、政府の財政規律は守れないことが、経済学上、明示されています。
.
この財政法4条は、日本の大東亜戦争の敗戦後、アメリカのGHQが、日本に軍備増強をさせないため、財政に入れた縛りです。法律になっているため、官僚は、この法律にあわせて、財務業務を行う真理があり、それが、戦後75年かけて、組織の教典として、受け継がれています。この法律に即した業務プロセスが構築されており、組織が硬直化しています。この真理、論理にあわせて、行動しないと、官僚は、出世しない感じです。
>日本の構造がもうできあがってしまっているからなんでしょうか?
=>そうですね。官僚組織は、公僕であり、戦後75年で、教典が出来上がり、それに即して行動しています。
.
この教典に誤りがあり、財政法4条の法律を変えていく必要があります。が、政治家は、経済を理解していないため、官僚の教典にある論理を、打破できず、官僚の言う通りに、判断しています。
.
本来であれば、政治家は、この官僚の論理の誤りを認識して、法律を変えていくことが必要です。
>質疑応答
.
Q: 官僚組織の硬直化について
.
Q: 政府投資の必要性について
.
Q: アベノミクスの成果について
/icons/hr.icon
created: 24/01/04(Thu)06:37
#2401A #chiebukuro #積極財政