市中にあるマネーとは
市中にあるマネーは、人工物で、
意図的に、市中に適正量が流動するように、操作されています。
.
財政規律を守ってもいいですが、
人工物であるマネーが、適正量、市中で流動しない以上、国家は、マネーの流動が適正になるように、経済に介入して、マネー量を調整します。
.
この前提を理解して、経済状況の指標をベースに、政策を判断するべきです。
.
均衡財政は、経済を、ディスインフレ傾向にするため、
最近は、
高圧財政で、経済を、積極的にインフレ傾向にするよう、圧力をかけるべきというのが、主流の考えです。
===
経済学の基本的な恒等式で、以下の式があります。この式は、その間のプロセスはどうであれ、最終的に、この式が成立する状況となります。
.
三面等価と言われています。
.
GDP=C+I+G+NX:民間消費+民間投資+政府支出+純輸出
GDP=C+S+T:民間消費+民間貯蓄+政府徴税
.
GDP=C+I+G+NX=C+S+T
G-T=S-I - NX
G-T:政府支出(歳出)ー政府徴税(歳入):政府支出で、徴税でまかなえなかった分(政府支出の赤字)
S-I:民間貯蓄ー民間投資:民間貯蓄のうち民間投資にまわらなかった分(民間貯蓄の黒字)
.
NX:純輸出を無視すると
G-T≒S-I・・・①
政府支出の赤字=民間貯蓄の黒字・・・②
.
式①の右辺は、
民間貯蓄が増える中で、同量分、民間投資に回らないと、民間投資不足となるということを意味しています。
.
式①の左辺は、
民間投資が不足している状況では、政府が支出により、民間投資不足分を、公共投資により、穴埋めするということです。この際に、(G-T)分を、政府が負債をもって、補填するのです。このような政策をケインズ政策といいます。
>立憲民主党のハッピー米〇先生のように財政規律を厳密に守り、財源がないのに支出することを厳しく禁じる考え方があるのと同時に、
>三〇貴明氏のように財源なんか国債の日銀引き受けでいくらでも作れる打ち出の小槌理論を主張する人もいます。
.
=>ケインズ政策は、世界中で採用されている政策です。日本国家は、ケインズ政策を、経済運営の政策基準として採用しています。
コロナショック時は、世界中で、莫大な公的資金が投入され、国家が、経済安定のために、経済に介入しました。
.
ケインズ政策では、
去年の供給力>今年の需要量、の場合に、
去年の供給力≒今年の需要量、の状況になるように
去年の供給力ー今年の需要量、の差分を、負債をもって穴埋めする運用です。
去年の供給力>今年の需要量、の場合に、供給力が余り、モノが余り、労働者が活用されず、失業者が増えると、国家は想定しています。より、失業者対策として、負債をもって、有効需要を創出し、失業者が労働できるようにします。
.
去年の供給力=去年のGDP
今年の需要量=今年のGDP
ですので、
去年の供給力≒今年の需要量、の状況となるとは
去年のGDP≒今年のGDP、とするということです。
.
つまり、政府は、GDP前年比がプラス0~1%になるように、ケインズ政策で、GDPを補填し、GDPを前年比マイナスにしないように、経済を運営しています。
.
2024年度も、補正予算で、約13兆円を確保し、GDPを穴埋めする算段です。
>立憲民主党のハッピー米〇先生のように財政規律を厳密に守り、財源がないのに支出することを厳しく禁じる考え方があるのと同時に、
>三〇貴明氏のように財源なんか国債の日銀引き受けでいくらでも作れる打ち出の小槌理論を主張する人もいます。
.
=>日本は、GDPを前年比マイナスにしないように、均衡財政を行っています。
2024年度補正予算では、約13兆円、GDPの約2%分が支出され、GDPが前年比マイナスにならないよう、国家は、GDPを補填する算段です。
.
国家は、均衡財政の指標として、以下を監視して、支出しています。
.
① 失業率3~4%
② GDP前年比0~1%
③ インフレ率2~4%
.
この指標の範囲であれば、おおむね、経済運営で問題がないという判断です。
.
アベノミクス前までは、項番①、項番②をベースに積極的財政支出により、
GDPを穴埋めしました。が、結果、デフレ傾向になりました。
アベノミクス時は、項番①、項番②に項番③を追加し、金融政策と財政政策を連携して行うことで、フィリップス曲線をもとに、インフレ率をあげ、失業率を下げるように対応しました。結果、アベノミクス後期には、失業率2.1%、インフレ率1.1%となりました。
.
日本は、指標に従い、「② GDP前年比0~1%」となる均衡財政を行いました。その結果、
1998~2012年までが、デフレ傾向、
2013~2022年までが、ディスインフレ傾向、
となりました。
その期間のGDP前年比で、経済成長率は、約0.7%で、これも、「② GDP前年比0~1%」の想定通りの成長率となりました。
>立憲民主党のハッピー米〇先生のように財政規律を厳密に守り、財源がないのに支出することを厳しく禁じる考え方があるのと同時に、
>三〇貴明氏のように財源なんか国債の日銀引き受けでいくらでも作れる打ち出の小槌理論を主張する人もいます。
.
=>市中にあるマネーは、人工物ですので、勝手に湧いて出てきません。
.
意図的に、国家が、経済安定化を目的に、マネーの量を調整しています。
.
市中にあるマネーが、適正量よりも少ない流量なら、国家は、有効需要を創出して、マネーを供給します。
市中にあるマネーが、適正量よりも多い流量なら、国家は、徴税したマネーを市中に再配分せずに、それを返済に回し、マネーを消滅させます。
.
.
市中にあるマネーは、人工物ですので、ご意見の通り、
「打ち出の小槌」で、無(ゼロ)から通帳に数字を書き込むことで、
ザックザックと生まれ出てきます。この仕組みを、管理通貨制度と言います。
.
ご質問者は、「打ち出の小槌」がないと、
無から有なるマネーを生み出せないという、当たり前のことを、理解した方が良いです。
>立憲民主党のハッピー米〇先生のように財政規律を厳密に守り、財源がないのに支出することを厳しく禁じる考え方があるのと同時に、
>三〇貴明氏のように財源なんか国債の日銀引き受けでいくらでも作れる打ち出の小槌理論を主張する人もいます。
.
=>日本は、均衡財政を続けてきており、その指標は、前述した以下です。
.
① 失業率3~4%
② GDP前年比0~1%
③ インフレ率2~4%
.
ここに、財政規律という指標はないです。
均衡財政の指標は、「② GDP前年比0~1%」で、日本国家は、
ずっと、この指標をベースに、有効需要を補填する経済運営を続けています。
.
資本主義経済を、安定的に運営するには、
市中にあるマネーは、継続的に、膨張しないと、経済が安定しません。これは、ピケティ教授が、g<rの式で、言及されました。
.
管理通貨制度を採用すると、
市中にあるマネーは、市中にいる経済主体の負債と紐づき存在する仕組みです。
.
つまり、
資本主義経済制度で、管理通貨制度を採用すると、
.
市中にあるマネーが、膨張し、
市中にあるマネーに紐づく負債が、同額分、膨張します。
.
日本経済では、市中にあるマネーストックM2(預金通貨、現金通貨)が、毎年、約25兆円、膨張することで、経済が安定しています。
.
国家は、経済を安定させるために、「打ち出の小槌」で、マネーを創造し、そのために、負債という形式で、毎年、30~40兆円のマネーを、市中の労働者にバラまくことで、適正量である約25兆円が、膨張するように、経済を運営しています。
.
市中の労働者にバラまかれたマネーは、労働者の預金として、蓄積されており、それが、マネーストックM2を膨張させています。
.
政府支出の赤字=民間貯蓄の黒字・・・②
.
ということを、理解して、議論するべきです。