マネーは膨張する
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https://gyazo.com/4e11abebaa433ce039bc833400b7206f
|## Ans
マネーストックは、資本主義経済では、増え続けます。
これは、ピケティ教授が、g<rの式で言及しました。
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資本主義経済では、市中にあるマネーが、市中にある資本の増加にあわせて、膨張する仕組みになっています。市中にある資本が増えるので、その交換媒体であるマネーが増えます。
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近代化により、資本設備の形成には、莫大な投資が必要となっており、その設備投資を、市中銀行が、マネーを融通することで、可能としています。この市中銀行のマネーを融通する際に、預金通貨と呼ばれる通貨(つまりは、経済主体の負債:借金)が発行され、この預金通貨が、継続的に膨張します。民間の経済主体の負債は、一定期間で返済されることになり、継続的に負債を膨張させることは、現状、なくなりました。
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現在は、預金通貨(マネーストックM2の預金)が、継続的に膨張するのは、負債を持っても、一定期間たっても、返済しないで、継続的に、負債を膨張させる経済主体がいるからです。それが、日本国家の機関である日本政府と日本銀行です。
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日本政府と日本銀行は、継続的にマネーストックを膨張させるように、マネーの量を調整する立場です。
>ずっとインフレ方向ですよね
=>その通りです。
ただ、日本経済の場合は、市中にあるマネーストックM2(預金、紙幣)が、1200兆円、市中に供給されていますが、そのマネーが、貯蓄に張り付いて、流動しないため、なかなかインフレになりませんでした。市中にマネーが存在しても、経済的な取引に、使われて、マネーが流動しないと、インフレにはならない感じです。
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インフレは、基本的に、需要と供給のバランスが崩れないと、起きません。
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去年の供給力<今年の需要量、の場合、供給力が足りず、モノが足りず、モノの値段が上がって、インフレ傾向になります。欧米のように、バランスが崩れた際に、うまく対応できないと、インフレ率8~10%になったりします。
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日本の場合は、1998~2022年10月まで、
去年の供給力>今年の需要量、の状況で、供給力が余り、モノが余り、労働者が余り、モノの値段が据え置きの状況、つまり、デフレ・ディスインフレの状況でした。2022年10月より、外部要因で、供給が不足して、インフレになりました。
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市中にマネーが1200兆円、供給されていても、供給力と需要量がバランスする状況では、インフレではなく、ディスインフレの傾向になります。ただ、インフレになり、今後も、期待インフレが高い状況であれば、需要量が増加して、インフレが継続すると想定されています。
マネーストック統計とは?
https://scrapbox.io/files/65b05d615aae0d00226618dc.png
>増えることがあっても逆に減らすということはしないんですか?となるとずっとインフレ方向ですよね
=>市中にあるマネーが、適正量よりも多くなれば、もちろん、減らす方向です。
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ご提示したグラフを見ればわかりますが、マネーストックM2は、年々、増加しており、だいたい、年に、約25兆円、膨張することで、経済が安定しています。
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この状況よりもおおく、例えば、年35兆円、膨張する状況であれば、日本国家は、マネーを減らす方向で、マネーの量を調整する感じです。
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created: 24/01/24(Wed)09:39