独禁法講義第9版で競争法の基本的な考え方だけを学ぶ方法
『独禁法講義 第9版』は、日本の法令の複雑なところの解説も、行っています。しかしそのようなものは、国を問わず競争法の基本的な枠組みや考え方を知りたい、という場合には不要です。以下では、そのような場合には独禁法講義第9版をどのように読んでいけばよいかを簡単に述べます。 日本の条文に触れている箇所にも、何通りかあります。
ほぼ世界共通の話をしているのだが、それを日本の条文にも照らし合わせながら解説している場合。
→ 「○○条」といった細かなことに入り込まずに読み流す感じで、全体をお読みになるとよいでしょう。
日本でしか議論にならない問題に言及している場合。
→ 競争法の基本的な考え方だけを学びたいのであれば不要です。
上記のような意味で不要な箇所だけを、以下に掲げます。
第7章 不当な取引制限
90〜91のコラム
92〜93「1 行為要件の条文の読み方」
98〜100「3 相互拘束・遂行」
102〜110「6 違反要件の応用問題」
入札談合とはどのようなものか(102〜103)は必要。
110〜120「7 課徴金」
110〜112の「課徴金の法的性格」だけは、日本の状況を外国と比較するために知っておくとよいでしょう。次の「8 刑罰」「9 減免制度」も同様です。
第8章 私的独占・不公正な取引方法
128〜139「第1節 総説」
「1 全体像」(128〜133)だけ、なぜ日本では同じことを複数の条文が規定しているのか、といったことを概括的に把握するため、さっと目を通してもよいでしょう。133〜139は不要です。
140〜141「2 条文の概略」
141〜145「3 行為要件」
141〜143の「相手方」の前までは必要です。
151〜154「7 不公正な取引方法の条文の詳細」
161「2 条文の概略」
169〜172「9 条文の詳細」
172〜173「2 条文」
186〜187「(2) 条文」
208〜210「9 課徴金」
210〜211「10 下請法」
上記のような意味で不要な箇所は、以上です。
https://gyazo.com/f56ed5390de8908fa18cea193156238c