正当防衛2巡目3回分まとめて
#和田俊憲『どこでも刑法_#_総論』
刑法36条
(正当防衛)
第三十六条 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
2 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
中身に入る前に
法学のよくある発想
「原則→例外」「類型→実質」の思考手順
103-104
ここでは、たまたま、入れ子になっている例
正当防衛の前提状況をめぐる問題
条文
「急迫不正の侵害」
原則
時間的な急迫性があればよい
例外
侵害の予期
事例10の最判(昭和52年)
予期+積極的加害意思
事例11の最判(平成29年)
考慮要素をきめ細かく示す
侵害の自招
事例12の最判
最判も言及した「Aの攻撃がXの前記暴行の程度を大きく超えるものでない」
★白石の感想を補足
和田先生は「順々に」としているが(111頁の図の下)、
それは、覚えやすいから、必要な思考手順を漏らしにくいから、であり、
実際には、全てを同時に考慮してもよい
実際、事例12の最判は、そうであろう。
正当防衛行為をめぐる問題
防衛意思が必要
条文
「自己又は他人の権利を防衛するため……した」
事例
事例14の最判
基準まとめ
防衛の意思が攻撃の意思と併存するのはよい
「もっぱら攻撃の意思」なら防衛の意思は否定される
客観的な積極的加害行為があると、「もっぱら攻撃の意思」と認定される
事例10で出てきた「積極的加害意思」とは異なる。(意思でなく行為)
防衛手段としての相当性
条文
「やむを得ずにした行為」
事例
事例15の最判
事例16の最判
基準まとめ
危険性と危険性を比べる
結果と結果を比べるのでもなく
武器と武器を比べるのでもない
質的過剰と量的過剰
過剰防衛
★白石の感想
次の3つを頭の中で区別してから読むとよい
正当防衛となる行為(36条1項)
正当防衛ではないが過剰防衛ではある行為(36条2項)
どちらでもない行為(117頁中ほど「純粋な犯罪」)
事例17と事例18
★白石の感想
117頁の末尾は、和田先生がこのように解説されているので刑法の通常の見方ではそうなのかもしれないが、そのような不均衡が生ずるのなら、「事例17で、第1行為は正当防衛とし、第2行為だけを過剰防衛とする」ということはできないのか、という疑問を持った。