技研システム
審判審決平成12年8月8日・平成11年(判)第5号〔技研システム〕審決集47巻224頁
[審決集PDFなし]
(後日掲載予定)
事案の背景
技研システムに対する審判審決(審判審決平成12年8月8日・平成11年(判)第5号・審決集47巻224頁)は、「千葉市等発注の特定測量業務」について、91社が入札談合を行ったとして、公取委が取り上げた事件に関するものである。平成17年改正前の手続による事件である。平成11年8月3日に勧告がされ、技研システム以外の90社が勧告に応諾し勧告審決がされた(公取委勧告審決平成11年9月8日・平成11年(勧)第11号・審決集46巻300頁)。技研システムについて平成11年9月30日に審判開始決定(審決集46巻421頁)がされたのが本件である。
入札談合事件の通例に従い、本件でも、千葉市等発注の特定測量業務の全体に関する基本合意を違反行為とする枠組みが採られた。
技研システムは、千葉市等発注の特定測量業務のうち、「下田物件」と呼ばれる1件にしか関係していなかった。技研システムは「航空写真物件」についても千葉市等から指名を受けたが、航空写真物件については公取委審査官が本件の対象としていない(技研システム審判審決の審決案理由第二の一)。
したがって、下田物件に関する個別の調整の状況のみが、技研システムが違反行為をしたと言えるかどうかの決め手となる事案であった。審判開始決定書などにも見えるとおり、もし違反行為をしたとするのであれば、下田物件に関する個別の行為を根拠として、千葉市等発注の特定測量業務に関する基本合意に参加した、と認定することになる。
(以下は、他の媒体に執筆予定なので省略)
なお、
冨岡測量設計は、会合後も技研システムへの接触を続けたが、技研システムは、冨岡測量設計を受注予定者とする依頼には一切応じなかった。冨岡測量設計は、相指名業者に対し、その旨を伝えた。相指名業者のなかには、冨岡測量設計が当初伝えた入札額より低い額で入札した者もあった。技研システムは、他社に対する受注協力の依頼をしていない(以上、審決案理由第二(審決集231〜236頁))。
「冨岡測量設計」
「株式会社冨岡測量設計事務所」(審決集47巻の228頁)
90社には含まれていない模様。審決集47巻の232頁からみて、冨岡測量設計は、「千葉市等発注の特定測量業務」の他の物件には関与していないのではないかとみられる。下田物件も、落札していない。
審判開始決定
平成11年9月30日・平成11年(判)第5号・審決集46巻421頁
90社の勧告審決
公取委勧告審決平成11年9月8日・平成11年(勧)第11号・審決集46巻300頁
国家賠償事件東京地判
東京地判平成14年12月26日・平成13年(ワ)第13381号・審決集49巻654頁
国家賠償事件東京高判
東京高判平成15年4月24日・平成15年(ネ)第732号・審決集50巻749頁
(地裁判決を完全にそのまま引用するもの)
協和エクシオ審決
(技研システム審決は、協和エクシオの審決の「当該商品又は役務」の判断を引用しており、協和エクシオ東京高裁判決は、それに関する判断はしていない。)
協和エクシオ東京高判
東京高判平成8年3月29日・平成6年(行ケ)第80号・審決集42巻424頁