法律文章を読む際の約束事やコツ 2026S
2026年度上半期の授業で、約束事やコツとしてお伝えしたことをまとめるページです。
授業で伝えたことをこれで網羅しているとは言いません。
今後、推敲・再整理することがあります。
読本=『法律文章読本』
法わか=『法律の読み方がわかる本』
条文の約束事
項
項は段落
項番号は、「2」から振られる。
号
号は柱書きを受けて列記するもの
号を示す記号は漢数字「一」「二」……
枝番号
「第59条の2」など
次以下の条の番号を動かさずに済ませるための便法であり、第59条と第59条の2は独立・対等の条である。両者に内容的な関係があるとか、親分・子分の関係があるとか、そういったことは一切ない。
並んでいるので、たまたま、両者に内容的な関係がある、親分・子分の関係がある、ということは、あり得る。
第59条の2の次に第60条があって、第60条の中に「前条」と書かれていたら、第59条でなく、第59条の2のことである。
号にも枝番号がある。項にはない。
法令の条・項・号などで「第」を書くか省略するか
書くのが正式。
裁判所では省略する。
数字が連続してしまう場合だけ「第」を使う。例:7条の2第1項
期末試験答案を含め、省略してもよいが、正式には「第」が付くのであると知っておくことは必要。
知っておけば、法令の条文における「前2項」や「前3条」の意味を理詰めで理解できる。条文では、第2項という意味であるなら必ず「第」を書かなければならないので、「第」なしで「前2項」と書かれているなら、第2項ではあり得ない。(前にある二つの項にたまたま第2項が含まれているということは、もちろんある。)
丸暗記でなく理詰めであるから思い出せる。
その他/その他の
読本47-49、法わか75-78
「Aその他B」= A and B
「Aその他のB」= B(例えばA)
又は/若しくは
読本42-43、法わか78-82
or
1階層のみなら必ず「又は」
2階層以上が重層するなら、最も大きなつながりに「又は」、それ未満のつながりは全て「若しくは」
1階層で3件以上をつなげる場合は、「A、B又はC」、「A、B若しくはC」
(活用語をつなげる場合は、「A、又はB」「A、若しくはB」)
及び/並びに
読本40-41、法わか82-84
and
1階層のみなら必ず「及び」
2階層以上が重層するなら、それぞれの末端で最も小さなつながりに「及び」、それより大きなつながりは全て「並びに」。
1階層で3件以上をつなげる場合は、「A、B及びC」、「A、B並びにC」。
(活用語をつなげる場合は、「A、及びB」「A、並びにB」)
「Aであって、Bもの」= AかつBである者/物/もの
読本158、法わか36
本文とただし書
個人情報保護法における「個人情報」の定義
法律文章のつかみ方
著作権法のつかみ方
定義、権利、その内容、使い道、例外(著作権制限)
法的三段論法(FIRAC)
法わか17-21、172-175
事実(F)
争点(問題提起)(I)
規範(R)
適用(A)・結論(C)
ガイドラインや教科書で、見出しがおかしいということは、ある。
「○○等」や「特定○○」は、その文書(法律なら法律)の中で必ず定義されていると考えて全文検索するのが基本。「危険鳥獣」のように、定義されていそうな雰囲気が漂う、というものもある。
用語
要件と効果
棄却と却下
日常語とは意味のずれがある用語
「認める」
是認する(approve)という意味の場合
認定する(find)という意味の場合
「社員」
「処分」
判決の読み方
最高裁は、民事訴訟法318条3項により、一部の上告受理申立て理由を排除して上告を受理できる。
事件名(基本的には原告が自由に付ける)と最高裁の受理・判断する項目が、一致しないことがある。
最高裁は、民事訴訟法321条1項で、「原判決において適法に確定した事実」に拘束される。
どのような場合には拘束されない?(授業では答えを言っていない。)
FIRACの順で書かれていると思って読むと大体OK
TRIPP TRAPP最高裁判決
TRIPP TRAPP最高裁判決を、法的三段論法(FIRAC)で、構造的に把握してください。
「同法」
直前に出てくる法律を指すが、TRIPP TRAPP最高裁判決2頁下から6行目の「同法」は、わかりやすい文章の書き方という観点からは、改善の余地がある。
「著作者人格権により権利関係が複雑化」とは、どういうことか。
判決理由の4の(1)と(2)の相互関係?
判決理由の4の(2)の「もっとも」の段落と「また」の段落の相互関係?
仏壇の彫刻は、「著作物」に該当しますか。
タコの滑り台は、「著作物」に該当しますか。
TRIPP TRAPP最高裁判決は、「結局、思想又は感情の創作的な表現であれば著作権法で保護する」、という判決ですか?(わざと間違ったことを書いて訂正してもらう問題)
TRIPP TRAPP最高裁判決によると、「量産実用品」=「量産されて日常生活の中で実用に供されることが予定されている物品」であるとのことですが、日常生活とは関係のないBtoBの商品には、この判決は関係ないことになりますか。
報道リテラシー
桜蔭訴訟の東京地裁判決
その他
「直ちに」
条文では、時間的にすぐ、の意味であるが、
判決では、「それだけの理由で短絡的に結論を出すのはダメ」という意味で使われることも多い。
もっと言えば、最後には、「しかし、しっかりした理由を言えるのならよい。」という持っていき方になっていることが多い。
SARTRAS指針によってルールが一定程度において形成されているということ
裁判所での事例の蓄積を待たない
行政がルール形成をアウトソーシング
「特定行政庁」が「東京都知事」であることがある。
「東京都知事」も、天皇機関説において天皇が機関であるのと同じ意味で、機関である。その機関に、現在は、小池百合子さんという人が座っている(中の人である)。