セミナー資料2025-11_02
#セミナー資料 (イオン/ツルハ)
はじめに
前回セミナーの後、イオン/ツルハについて、「概略」に加え、「詳細」が公表された。
本日は、それを中心に取り上げる。
もし、DCM/エンチョーの「概略」について発言があれば、ご遠慮なく。
企業結合の届出一覧
https://gyazo.com/f15692902cbb93036a612bccf9de5b8d
リアル店舗小売業の水平型企業結合
水平型企業結合の基本的考え方を適用するだけであるが、
全国に多数の検討対象市場(一定の取引分野)が発生するので、それらを大量処理する便法が発達
リアル店舗小売業の需要者が、全国各地に住む生身の人間なので、需要者からみて選択肢となる範囲が、「徒歩で行ける範囲」「車で行ける範囲」などに限定される。(「地理的範囲」の画定)
徒歩か車か、などは事案や地域による。
売られる商品で細分化するより、そのような多種多様なものを取り揃えている業態そのもの(例「ドラッグストア業」)として市場画定されることが多い。
観念的には、「あそこに行けばドラッグストア的なものは揃っている」という状態を需要者に売ることについて競争している。
一定の取引分野(市場画定)
他業態とは一つの市場とならない
調剤薬局
他業態の小売店舗
インターネット通信販売
「全店舗又は地域ごとの統一価格を設定」の有無(3頁2(1))
もし本当にそうなら、店舗ごとの市場画定をしない理由(または、店舗ごとの一定の取引分野に競争を実質的に制限するが生じない理由)となり得る
事実の問題として否定
「ツルハグループ店舗を基点に「半径2km以内」」
イオンを基点にするよりツルハを基点にするほうが、両者が競争関係にあるものを捉えるに際して効率的であったものと推測される。
車はあまり使わないことを前提か
そうして一律の基準を置いた上で、地域によっては地域特性を加味できるよう4頁(2)「ただし」の記述
(よくある質問への回答)
DCM/エンチョーでは半径5km以内
ドラッグストアとホームセンター (?)
本当は(当事会社店舗でなく)需要者からみて半径2km以内等とすべきだが、需要者は多数が散らばっているため、(需要者よりは数が少ない)当事会社店舗を出発点とした代替指標を便宜的に用いている、と理解できる。
「2 経済分析の概要」(4〜7頁)
「3 個々の商圏についての検討」(7頁〜)
検討対象商圏は1330商圏
うち1173商圏は、企業結合後の競争者が2以上
DCM/エンチョーでは2でも詳しく見た模様
うち157商圏は、競争者が1か0
うち101商圏については、
競争者は1のみだが十分な競争圧力(59商圏)
1の競争者から一定程度の競争圧力 + 商圏外から一定程度の競争圧力(42商圏)
うち13商圏は、イオン店舗とツルハ店舗が、2km以内ではあるが需要者からみてこの両者が2強という感じではなく、
商圏内で一定程度の競争圧力(8商圏)
商圏外から一定程度の競争圧力(5商圏)
うち16商圏は、商圏外の競争者からの競争圧力が一定程度働いている
アンケート等で確認(14商圏)
携帯電話事業者が提供する人流データを使用して調査(2商圏)
うち12商圏は、他業態の小売店舗(市場画定からの敗者復活)による競争圧力
うち5商圏は、1年以内に競争者店舗の新規出店の計画
残り10商圏
→ 「競争を実質的に制限することとなる」を満たし、企業結合をすると違反。
問題解消措置
10頁に10商圏の一覧表
10商圏それぞれについて、いずれか1店舗を第三者(ドラッグストア業を営む意思を持つ者)に譲渡
譲渡まで、
事業価値を毀損しない
消費者(需要者)に不当に不利な価格を設定しない
本件統合の実行までに、競争者店舗の新規出店などが発覚し、市場の状況が変化した場合は、当事会社は、その商圏を問題解消措置の対象から除外すること等を公取委に求めることができる。