槿花の宮
お万御寮と西原紀伊守(武人)は仲睦まじい夫婦であったが、ある夜からお万御寮の許に妖しい男が現れだした 妖しい男に身を許してしまったお万御寮は、ある夜蛇体に変化して城の下の淵に身を投げた(変身譚) 実家の下僕が近くで草を刈っている最中に鎌を見失い、探しているうちに見慣れぬ人家を見つけた
中には機織りするお万御寮がおり、前世の宿縁で淵の主である大蛇に嫁ぎ、子も成した告げた(異類婚姻譚) お万御寮は小蛇を見せ、父にのみ現況を伝えよと言って、鎌と共に下僕を帰した
下僕は父に伝えるだけでなく他言してしまったため、正気を失い行方知れずとなった
『日本の伝説22 土佐の伝説』(角川書店)p.107
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