占有権
占有をしている事実状態は、それだけで保護される権利
物を所持している、それだけ
例
Aさんが友達から消しゴムを借りた時、その消しゴムの占有権はAにある
土地について、使用利益や果実を得る目的で自己の支配下に置くこと
占有の成立要件
物を所持していること
その所持を自己のためにする意思(占有意思)があること
所持による事実上の利益を自己に帰属させようとする意思
賃貸の意思も、占有意思の1つ
持ってたら嬉しい
意思の有無の判断
物の所持を生じさせた原因の性質によって客観的に判断される
本人の意思は問わない
民法 180条
占有の様態
自主占有と他主占有
自主占有
所有の意思がある占有
賃貸契約を交わした住人、盗人、などは自主占有
他主占有
所有の意思がない占有
地上権
他主から自主への変更
自己に占有をさせた者に対して所有の意思があることを表示したとき
又は、新たな権原により更に所有の意思をもって占有を始めるとき
民法 185条
代理占有と自己占有
占有代理人を通じた所持により、本人が物の占有を取得する関係
間接占有
民法 181条、民法 204条
善意と悪意
善意占有
本権がないのに、あると信じてする占有
誤信の過失の有無でさらに分かれる
過失のある占有
過失なき占有
悪意占有
本権がないことを知っている、又は、それを疑いを持って、する占有
推定規定
民法 186条の1項
占有者は、以下の条件の元占有していると推定する
善意で
平穏に、
かつ、公然と占有する
無過失の場合は規定されていない
占有者が取得時効を主張する場合、無過失の証明責任が生じる
民法 186条の2項
A日とA+n日時点に占有していれば、その間も継続して占有していたと推定する
$ P(a) \land \exist b>a. P(b) \Rightarrow \forall b\geq t\geq a. P(t).
取得時効を主張する場合、継続自体の証明は必要ない
両時点での占有さえ証明すればよい
占有権の承継取得
物の支配状態が転移したら、戦友も承継され、占有権も承継される
相続によっても承継される
効果
民法 187条
占有権の効果
占有訴権
占有者が占有を妨害され、又は妨害される恐れがある場合に、妨害者に対して妨害の排除を請求する権利
本権があるかどうかは問わない
占有訴権の内容
占有保持の訴え
占有者の占有が妨害された時
妨害の停止または損害賠償
占有継続の疑制
専有を回復したものは、現実に占有していなかった間も占有が継続していたと疑制する
占有保全の訴え
占有妨害の恐れがあるとき
妨害の予防又は損害賠償の担保
占有回収の訴え
専有を奪われた時
騙取の場合はこれに当たらない
物の返還、損害賠償
行使できる人
占有者、又は、他人の為に占有するもの(占有代理人等)
講師の相手方
占有侵奪者
善意の特定承継人に対しては訴えることはできない
民法 197条、民法 198条、民法 199条、民法 200条、民法 201条、民法 202条
即時取得
民法 192条
動産の占有者を、適法な権利者と誤診して取引した者は、その動産について完全な権利を取得できる
取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
要件
目的物が動産であること
登記されている車や船舶等は対象外
登記されていない車や船舶等は対象
有効な取引行為があること
有効な取引行為とは
契約有効要件を満たしていること
前の持ち主に占有があること、前の持ち主が本権を持っていないこと
平穏・公然・善意・無過失に占有を取得したこと
民法 186条と民法 188条によって、これらがあることは全て推定される
占有を始める要件について、占有改定による占有は認められない
効果
取得は原始取得を意味する
例えば、盗まれた消しゴムと知らずにそれを買った場合は、消しゴムを使用する権利を即時に有する
盗品又は遺失物の回復
民法 193条
即時取得が成立した場合でも、動産が盗品や遺失物である場合は、被害者や異質主は回復請求をすることができる
2年間だけ
回復請求の要件
即時取得の要件を満たすこと
盗品又は遺失物でないこと
盗難又は遺失の時から2年間経過していないこと
効果
即時取得者に対して物の回復を請求できる
特則
競売や店舗などで即時取得した場合は、被害者又は遺失主は支払った代金を弁償しなければ、回復請求できない
民法 194条