TableauとPrepを使った二極分散型積上げ横棒グラフ(Diverging Stacked Bar Chart)の簡易的な作成方法(選択肢が4択の場合)
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大学では満足度や日頃の行動について、学生アンケート調査をする機会があると思います。アンケート結果を集計するときに、設問の回答構成比を割合で表示する場合には、帯グラフ(100%積み上げ棒グラフ)で示す機会も多いのではないでしょうか。
この帯グラフをリッカート尺度の肯定的、否定的を左右に振り分けて、直感的に見易くした「二極分散型積上げ横棒グラフ(Diverging Stacked Bar Chart)」※1、藤原(2017)があります。
そして、Tableauの表示形式には、積み上げ棒グラフがありますが、ひと手間加えることで、二極分散型積上げ横棒グラフを作ることができます。※2、田尻、井芹(2020)。
当コラムでは、上記の資料を参考に、TableauとPrepを使うことは同じですが、Tableauで作成した帯グラフの集計済みデータを、そのままAccess形式のファイルでエクスポートして、簡易的に当該グラフを作図する方法をご説明します。(Tableau Prepの「ピボット機能」が使える方は、取り組める内容となっています。)皆さまのご参考やお役に立つことができれば幸いです。
1.Tableauで帯グラフを作る
詳しいことは省きますが、図1より、まずはTableauで帯グラフ(横)を作ります。
https://gyazo.com/4520207ef49b8d7e0907a5815feb8667
図1.Tableauで帯グラフ(横)を作成
2.Tableauで帯グラフをAccess形式のデータとしてエクスポート
図2より、Tableauメニューの「ワークシート」-「エクスポート」-「データ」をクリックします。
そして、Access形式のファイル「xxx.mdb」を保存します。
https://gyazo.com/57eee02fea8b055783aca1e51170b9a3
図2.Tableauで帯グラフをAccess形式のデータとしてエクスポート
3.保存したAccess形式のファイルをPrepで開いて前処理をする
図3より、フィールド名を左から順に「設問」「調査学年」「調査票年度」「回答選択肢」「回答割合」に変更します。
https://gyazo.com/eeaba8a4a51501bb0e537c3d63707d3e
図3.フィールド名の変更
図4より、ピボット機能の「行から列」を使います。そして、ピボットされたフィールドは「回答選択肢」、新しい列の集計フィールドには「回答割合」をドラッグ&ドロップします。
https://gyazo.com/baf12ca1f7c068402eb51388376394c9
図4.ピボット機能の「行から列」
図5より、フィールド「1」を「右クリック」-「計算フィールドの作成」-「カスタム計算」をクリックする。新しく作るフィールド名「計算1」では、「[1]*-1」という計算を記述して「保存」ボタンを押します。
同様に、フィールド「2」を「右クリック」-「計算フィールドの作成」-「カスタム計算」をクリックする。新しく作るフィールド名「計算2」では、「[2]*-1」という計算を記述して「保存」ボタンを押します。
https://gyazo.com/4c688f9cf115dcdcdc6400fb60a7d3f0
図5.カスタム計算で列に-1を掛け算する
図6より、フィールド名「1」を削除します。次に、フィールド名「計算1」を「1」に変更します。
フィールド名「2」を削除します。次に、フィールド名「計算2」を「2」に変更します。
https://gyazo.com/6b63dc057120fc498d4087e7d709e801
図6.フィールド名の変更
図7より、フィールド名を左から順に「設問」「調査学年」「調査票年度」「1」「2」「3」「4」に変更します。
https://gyazo.com/8aee2f3e70d91c5cb11acfa3d1b4b938
図7.フィールド名の変更
図8より、Prepの出力機能でExcel形式のファイル「xxx.xlsx」を書き出します。
https://gyazo.com/a2902c147ec046b6aea425741962597a
図8.Excel形式のファイルとして書き出す
4.書き出したExcel形式のファイルをTableauで開きデータ処理をして、グラフを作ります。
図9より、フィールド名の「1」「2」「3」「4」を選択し、「右クリック」-「ピボット」をクリックします。
フィールド名を左から順に「設問」「調査学年」「調査票年度」「回答選択肢」「回答割合」に変更します。
https://gyazo.com/ad736cb24b453722530e78cc071f7bc1
図9.フィールド名の変更
図10より、列に、「回答の割合」をドラック&ドラックします。
行に、「設問」「調査学年」「調査票年度」をドラック&ドラックします。
マーク欄の「色」に「回答選択肢」、「ラベル」に「回答割合」をドラック&ドラックします。
https://gyazo.com/862498f40991b6cec70cd1fe38ac72dc
図10.列と行、マーク欄にテーブル項目を配置・設定する
図11より、適宜、回答選択肢欄の「色」や「順序」を入れ替えます。
また、横軸の回答割合の部分で「右クリック」をして、「ペイン」-「既定」-「数値」から、小数点第1位にするとグラフが見やすくなると思います。
https://gyazo.com/4a921b46ba6cd3c1f9b96ac8f6a9fece
図11.色やペインの設定
図12より、完成すると以下のグラフになります。
https://gyazo.com/0e7eb1b9fe62ed8f0bba3fd7bfd2348b
図12.完成したグラフ
まとめ
Tableauで帯グラフを作り、Access形式のファイルをエクスポートし、Prepで否定的な回答選択肢の集計結果(%)に-1を掛け算して、Tableauでグラフを作る方法になります。
(この方法のポイントは、Tableauの帯グラフのデータをAccess形式のファイルでエクスポートする部分にあります。)
今後
今回は、回答割合をラベル表示していますが、今後は回答者数や母数の表示などもできるように改善していきたいと考えています。
※1)藤原宏司(2017)「実践的IRにおけるアンケート結果の分析方法について」、平成29年度第1回IR実務担当者連絡会
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