2020/11/22 RSTP(Rapid-PVST+)

https://gyazo.com/8e7dd205b40e17a9889feb1f08a4af6a

今日はRapid-PVST+について。

パケットのキャプチャも行って見る予定。

まずはRapid-PVST+について復習。

Rapid-PVST+

Rapid-PVST+とはCisco独自に拡張されたSTPの一つ。

ここでCiscoのPVSTについておさらい。

PVST+とは「Per-VLAN Spanning Tree Plus」のことで、名前の通り、

VLANに対応している。具体的にはVLANごとに異なるSTPを設定することができる。

※シングルVLAN対応のSTPはCST(Common Spanning Tree)と呼ぶ。

Rapid-PVST+も同様に、拡張されたPVSTを高速にしたもの。

STPは最大50秒かかるが、RSTPでは数秒で収束。

ポートの役割

RSTP(Rapid-PVST+)では通常のSTPとはポートの役割が異なる。

RSTPでは4種類の役割があり、

table:ポートの役割

ルートポート(RP) ルートブリッジ以外に存在し、ルートブリッジに向かうポート。

指定ポート(DP) 各リンクに1つ存在する、ルートブリッジ側にあるポート。

バックアップポート(BP) 指定ポートのバックアップ用のポート。指定ポートが落ちると動く。(ブロック)

代替ポート(AP) ルートポートのバックアップ。ルートポートが落ちると動く。(ブロック)

動作の図解

今回の構成のような機器に1リンクの構成ではバックアップポートは考慮しなくて良い。

使うのはルートポート、指定ポート、代替ポート。

https://gyazo.com/dc3de35336fd46a994d5ca8840d0df48

１．まずはじめにBPDUを交換し、最もブリッジIDが低いスイッチをルートとするように選出する。

２．次に各リンクのDPを選出する。このときにパスコストを使って、低い方がDPとなる。

※ルートブリッジはすべてDPになる。

３．Switch3では同コストのルートが2つ存在する。この場合、ブリッジIDが低いSwitchを優先的にRPとする。

４. Switch3のパスコストで負け、DPになれなかったあまりポートはAPになる。RPが落ちるとすぐに切り替わる。

実際に試してみる。

まずは、上の構成通りに構築し、Rapid-PVST+を有効にする。

# spanning-tree mode rapid-pvst

次に、現在のブリッジIDを確認する。

https://gyazo.com/e887ca42de71ee1f2e86085e2e79c8d8

https://gyazo.com/e89adab1369df068279c27efd3c0097d

https://gyazo.com/a9bc33f15244d284b677c41a0099f7a1

https://gyazo.com/9a8cb441b24d9417fc85f45550834557

このように、プライオリティは全て「32769」になっている。これは、デフォルトである32768にVLANIDを足した値。

ブリッジIDはプライオリティ+MACアドレスなので、一番MACアドレスが小さいSwitch1がルートとなっている。

では、プライオリティを下げればルートブリッジが変化するはずなので、

Switch4のプライオリティを0にしてみる。

Switch4#spanning-tree vlan 1 priority 0

https://gyazo.com/ec4cdad2769aeb64487140a76aa4b8b2

https://gyazo.com/64b9b3b0e6e3beb6b89b138b9a3faad9

https://gyazo.com/33588d243c875f0d4538eeb864d6ca69

https://gyazo.com/796cb04842305de969b2da0dbeeb3f5a

Switch4がルートブリッジとなった。

また、ブリッジIDのプライオリティが「1」になっている。

Switch2のG0/2がブロックされた。

https://gyazo.com/fb7c2dc11ef50946b0ca5cdfaa6160b6

このようになる。

Switch2ではパスコストが同じだが、Switch1のほうがブリッジIDが小さいのでRPになる。

https://gyazo.com/0379ca73789063142a04f0980ac1ed2e

次にパスコストを変化させるために、

Switch1とSwitch4の帯域を変更する。速度としては100Mbpsに変更。

# int g0/0

# no negotiation auto

# speed 100

余談

speedとbandwidthの違い

bandwidthは実際に速度は変化しない。ルーティングプロトコルのメトリック計算などに使用される。

実際に速度を変える場合はspeedコマンドを利用。シリアルはclock rate

https://gyazo.com/592d141b762f58031b1e5cd9d202d0aa