Plain
白い彫刻が組み合わさることで、光が移動し、明暗が生まれる。
その光はどこか特別なようだ。
Plainは、置かれた場所に在る光を素材として扱う彫刻として制作した。
この彫刻は、形だけで完結するものではなく、光を媒介する役割を担う。
環境のわずかな違いによって光の経路が変わり、そのたびに陰影や輝きが生まれる。
光の往来を受け止めることで、彫刻は固定された物質から、周囲と共に変化し続ける現象へと開かれていく。
この制作を通じて、光と彫刻の関係性について考えている。
造形は光を媒介するが、単なる装置にならないように、
過剰な構造を排し、最も簡潔な形を目指した。
切り出された石のような塊。光が媒介する、純粋な形だ。
「純粋な形」とは何か。
それは私の制作における中心的な問いだ。
私にとっての”興味深い形”とは、光や風といった外的要因を媒介するだけでなく、
その物が持つ質量や密度、重力、構造、内包する空間までも可視化されているようなもの。
つまり、その場に確かに“在る”と感じられる形だ。
最小限の線で場の物理的な条件を明らかにする造形こそ、純粋な造形だと考えている。
意味を持たないことで、その塊は現象とともに静かに佇む。
川辺に置かれた石が水の流れを変えるように、彫刻を起点として空間に現象が生まれる。
形そのものは動かないが、光や空気、時間とともに周囲が変化し、
その中で自然と彫刻は関係を結んでいく。
光の瞬き、風の流れ、空気の震え。
日常には、常にさまざまな自然がある。
私は、その心地よさを、彫刻を通じて明らかにしたい。
光が流れ込むことで、そこに滑らかな気配が立ち上がり、
その在り方に、自然な光の動きが現れている。
光を素材とする彫刻とは、固定された光を閉じ込めるものではない。
流れ続ける光を媒介し、その変化を感じ取るためのものだ。
そしてその瞬間、彫刻の周囲には自然が立ち上がる。
Plainは、彫刻と環境を結び、その関係の中に生まれる“現象”を感じ取るためにある。
形は静止しているが、光は移動し、そこに”存在する”という感覚を作り出す。
彫刻を起点とした出来事に着目して鑑賞してもらいたい。
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