重ねても涼しかりけり夏衣うすき袂に宿る月影
(
『新古今和歌集』
夏、二六〇、
藤原良経
)
詞書
家の百首の歌合に
『六百番歌合』
、
夏衣
・四番。
左勝、本歌。右、
夏衣隔つともなき袂にも猶よそにこそ風は吹きけれ
(
藤原家隆
)
注釈
新古今集美濃の家づと
初句は、衣に
月影
をかさぬる也。つねに衣を重ぬれば、暑きものなるに、これは月影なればすずしとなり。
2022-09-10
13:49