皇祖の神の尊のしきます国のことごと、温泉はしも多にあれども、島山のよろしき国と、こごしかも伊予の高嶺の伊佐爾波の岡に立たして、歌偲ぴ、事偲びせし、み温泉の上の木群を見れば、樅の木も生ひつぎにけり。鳴く烏の声も変らず。違き世に神さびゆかむ出でまし処