日本語における「愛」の語誌
世界大百科事典において、佐竹昭広が「日本語における〈愛〉」について書いている 歴史的に〈愛〉は日本語本来のことばではなく,中国から輸入された,いわゆる漢語である。 たしかに現在でも「あいする」が通用しており、和訓よりも多く使われているcFQ2f7LRuLYP.icon
和訓は「おしむ」とかか?
「愛」字は、ごく古い時期には、仏教語としての用法を除いて、「うるはし」「めぐし」「うつくし」などと訓読みすることが多く、もっぱら身近な人間、主として親子・夫婦などの肉親の愛情のさまを表わしたと考えられる。〈日本国語大辞典「愛」語誌 (1)〉
いや、あることはある
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が、何と読むべきかがよくわからないcFQ2f7LRuLYP.icon
仏教思想と〈愛〉
憶良の歌の序文や今昔物語集を引いて、奈良~中世にかけての「愛」が仏教思想の元で理解されている様子を解説する
憶良の歌は子に対する愛着、今昔物語集では「〈愛〉にもとづく後世の悪報は,《今昔物語集》の説話の随所に力説されている」と説く
さらに〈愛〉の最も忌まわしい形態として性愛があり、同士の〈愛す》がしばしば愛欲・性愛行為を指して使用される場合があることを指摘する
〈愛〉は,単なる心理ではなく,肉体の生理と直結していたのである。
キリシタンの宣教師もこの欲と深く結びついた〈愛〉を使わなかった かわりに〈大切〉〈御大切〉という語を使用する
キリスト教における〈愛〉の概念が,漢語〈愛〉によって示されるようになったのは,明治初年以後のことである。