『高校生からの法学入門』
本学法学部より、『高校生からの法学入門』(中央大学法学部編、中央大学出版部)を出版いたしました。1人でも多くの 10代の若者に、法を身近に感じ法学という学問に興味をもってもらいたい。そんな願いのこもった一冊です。SNS、18歳選挙権、ブラックバイトなど、高校生でも身近に感じられる話題から、法学部で実際に教鞭をとる教授陣が読者の皆さんを法学の世界へ誘います。 序 章 何のために「法」はあるの?
法は身近な存在
人の権利・自由を保障するもの
法は複雑
現実の困難な問題を解決するために「練りに練られている」
そのため難解なものでもある
道徳やマナーなどの規範と異なるのは、高度な強制力がある点 国家権力をどう考えるか
法はいかなる基本思想に支えられるべきか
人により基本方針が異なる問題
このような問題に対し、法はいかなる基本方針に支えられるべきか
現代日本は大立法時代
頻繁に新法律が作られ、数多く法改正が行われる
第1章 「遅刻したらトイレ掃除1週間」は効果的?―犯罪と刑罰 犯罪の認定について
第2章 「彼と付き合う」を分析する―契約の拘束力
人とのお付き合い
「契約」とはなにか
誰かに何かをしてもらうかわりに、こちらが特定の何かをするという約束のこと
契約があるとどんないいことがあるのか?
他人に一切頼れない社会の場合すべてを自給自足しなければならない 契約の自由があれば、各自が得意分野の専門家になることができる
契約と法
契約による法律関係の形成については、成立でも内容においても(法の制限に触れない限り)個人の自由に任され、国家も基本的に干渉できない
という原則
しかし相手方がいるのでルールは必要
そのルールとして契約に関する法律が定められている
第3章 他人の悪口をいうことは自由なの?―表現の自由
第4章 おまえのものはおれのもの、おれのものはおれのもの―所有権の本質
第5章 自分たちのことは自分たちで決める―選挙権と国民主権、議会制民主主義
第6章 いじめを軽くみるな!―刑法的思考の第一歩
第7章 なんでお母さんが株式会社の会議に出るの?―会社組織の法
第8章 働きがいのある人間らしい仕事とは?―雇用社会と法
第9章 山本君、ケガしたってよ―損害の賠償責任
第10章 友だちとケンカ―紛争処理と法
終 章 結局、「法」を学ぶことの意味って何?