『楚辞』(岩波文庫)
ISBN:4003200195
『詩経』と並ぶ中国文学の源流。現実世界からの追放、天上遊行、天に対する疑義、神々とのふれあい――南方楚の独自の自然・神話・文化を元に、戦国末の大きく変動する時代の中で生まれ、屈原伝説と結びついて伝承されてきた楚辞文芸。今なお謎に包まれたその歌謡群は、全体を流れる悲哀の中にも、強靱な精神が息づいている。 目次
年歳の吾に与せざるを恐る
流れ去る時間の中で、逃げるものを追いかけるようにして努力をしているのは
歳月が私を置いてけぼりにしてゆくだろうことを恐れているからだ