「歌の話」
歌の話について
一、短歌の起り
複雑なうたが整頓されて、短歌という簡単な詩形が出来てきた
二、諺と、歌と
まず遠い祖先の時代に称え言というものがあり、その後にものがたりというものになった
この二つが並んで行われていた
どちらも古代の神さまの言葉として信じられていた
その言葉の「押しつめた短い部分」を神さまの言葉と考えるようになった
「称え言のうちのある部分が、諺となり」、
「ものがたりの肝心な部分が歌となった」
歌のいろいろ
すさのをの尊の短歌
やくもたつ いづもやへがき。つまごめに 八重垣つくる。その八重垣を
景色を詠んだ歌
旅行の歌
人麿の歌の傳へにいろいろあること
文学のねらひどころ
作者のわからぬ歌に、よい物のあること
歌の見方
ほんとうに優美な歌
調子の立った歌
発達しきった歌
江戸時代の歌
歌人としての国学者たち
思ひを抒べる歌
楽しみは、草のいほりの むしろ敷き、ひとり 心をしづめをる時
楽しみは、めづらしき書人に借り、はじめ一枚 ひろげたる時