いわゆる「指導停止線」のある交差点での過失割合の考え方
本件道路には本件交差点の西側手前に指導停止線(法定外表示の一つであり,一時停止の交通規制が行われる必要はないが,停止して安全確認を行うことが好ましい場所に白色の破線[通常3ブロック]で表示されるもの)が設けられている。
原告の主張
指導停止線は交差道路の優先性を意味するものではないから,過失割合の判断に影響しない…双方の過失割合は,原告車側4割,被告車側6割…
被告側の主張
指導停止線は,その趣旨・目的・道路利用者の受け止め方等を考慮すると,一時停止線と同種のものと評価すべき…被告Y1に過失はない
裁判所の判断
原告Xには,停止して安全確認を行うことが好ましいとされる指導停止線のある本件道路から本件交差点に左折進入するに当たり,十分に徐行した上,見通しのきかない右方から進行してくる車両の有無,動静を十分に注視して進行すべきであるのに,これを怠った過失があるというべきである。一方,被告Y1にも,交差道路から本件交差点に直進進入するに当たり,制限速度から十分に減速した上,見通しのきかない左方から進行してくる車両の有無,動静を十分に注視して進行すべきであるのに,これを怠った過失がある…本件事故における双方の過失割合は,原告側60%,被告側40%…指導停止線は法定外表示の一つにすぎないから,これを一時停止線と同種のものとまで評価するのは相当ではなく,指導停止線設置の趣旨・目的等に照らし,具体的な道路状況を前提とした過失割合の判断に際しての一つの考慮要素にすぎない
東京地判H30.12.26 交民51-6-1568
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