僕の誕生日なん
「7月15日、僕の誕生日なん」
静が嬉しそうな声で遥に言った。
「ほうなん?おめでとう!」
そう言って立ち去ろうとする遥を、静は引き止めた。
「僕その日誕生日休暇取るけん、おめでとうの電話して?」
二人きりのとき、静は甘えた声で親しげに話す。
「忘れてなかったらするわな」
適当に返事をして足早に歩き出す遥。
まだ仕事が残っていて、忙しいらしかった。
「約束やけんな、覚えとってよ、待っとうけんな」
その背中に静が念を押した。
遥は軽く手を振って答えた。
#僕の誕生日、忘れてしもたんやね