僕の教育が悪かったみたいやね
「ウィーッス!」
機嫌よく事務所に戻ってきた和。
「神田橋さん」
待ち構えていたように立ちふさがった円が、低い声で言った。
「はい」
何かを察した和が、小さな声で返事をする。
「僕の
教育
が悪かったみたいやね」
円の言葉に和は目を伏せて萎縮した。
「再教育、行こか」
「はい」
普段からは想像できないくらいの小声で返事をした和が、円の後について事務所を出て行った。
「神田橋さんは教育されすぎやわ」
あきれたように静が言う。
「わざと教育されにいっとる説まであるな」
そう言って遥が笑った。