ラーメン大とライス
「ウィーッス!ラーメン大とライス!」
店のドアを開けるなり、和が声を上げた。
「いらっしゃい、和ちゃん。今日も元気やなぁ」
カウンターに座る和に水を出しながら、店主の奥さんが言った。
「暑さにや負けてられへんスからね」
首にかけたタオルで汗を拭きながら、和が答えた。
「ほなしっかり食うて、昼からもがんばれよ」
カウンターに出されたラーメンには、生卵が一つ添えられていた。
「サービスや、和ちゃんいつも来てくれるけん」
「ありがとう!」
小声で店主が言うと、和は嬉しそうに笑った。