言語が違えば、世界も違ってみえるわけ
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発行 単行本: 2012/11/20, 文庫: 2022/2/16
それにもかかわらずボアズ=ヤーコブソンの原理は、ある特定の言語が与える現実の影響を解明する鍵になると私には思える。言語が話し手の心に影響するやり方が、言語によって異なるとすれば、それぞれの言語が話し手になにを考えるのかを許かによるのではなく、それぞれの言語が話し手に習慣的に、どんな情報について考えるのを強いるかによる。言語が話し手に、なにかをいったり聞いたりするたびに世界の特定のアスペクトに注目するよう強いるとしたら、そのような発話の習慣はやがて心の習慣となり、記憶や知覚や連想に、ひいては実用的技能にさえ影響を及ぼしうる。 (p256~257)