火山で読み解く古事記の謎
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発行年月 :2017年3月
出版社 : 文藝春秋
アマテラスの岩戸隠れもヤマタノオロチも熊襲も、記紀で語られるいろんな脅威的な存在って火山なんじゃないの、もしや?っていう推論を掘り下げた内容で面白かった。八雲とか出雲の雲って噴煙のことなのでは、とか黄泉の国って硫黄島とか鬼界カルデアのあたりのことなのでは、とか。
先に読んだ『日本人と神』と照らし合わせれば、古代の人間にとってただの山自体を信仰の対象にする事はなかったにしても、噴火ってなるとそこにカミを見出すのは想像できるし、それが語り継がれるうちに人格が与えられたりするというのは確かにありそうな話だなとおもう。
あと縄文文化の影響が強いのは火山の多いエリアで、逆に弥生の稲作文化が発展したのは火山のないエリアであるだとか、中国や韓国では森林が伐採された山がはげ山になりがちなのに比べて、日本の場合適度に混入した火山灰によってミネラルが供給され樹木が育ちやすく復元力が高いみたいな話だとか、地質学と考古学の境界的な話もいろいろ興味深い。