対決
NHKBSのプレミアムドラマ枠で放映されていた全5話のドラマで、ある医大の入試で女子受験者の採点が一律で減点されていたという実際の事件ともリンクする題材を扱った社会派の作品。これがとってもよかった。
現実の事件や社会問題がフィクションとして翻案される時に、物語の導入こそ必然的に現実に重ねて引き込まれるものの、クライマックスへ向かう段階で例えば「国家やある権力による陰謀」のような安直なエンタメ的回収がされてしまうことで、問題の本質が明後日の方向にすっ飛ばされてしまうように感じることも少なくないのだが、今作の場合はそのあたりをフィクショナルな方向に逃げることなく、社会構造自体の歪みだったり、それを容認してしまう人々の姿もこぼさず描いていて、とても誠実に向き合っているように感じられた。
タイトルこそ『対決』で組織と個人だったり世代間だったり、さまざまな立場での対立がモチーフとして描かれているのだけど、対立がそのまま敵味方の二元論に陥ることなく対話が重ねられ、安易な相互理解まではいかずとも相手の意見に耳を傾ける姿勢が描かれ、そうした意見の違う相手の話によって時に葛藤が生まれたり時に肩を押されたりするのもとてもよい。
またその時に食事のシーンが設定されていることも多く、その描き方がさまざまなのもなんか分かりやすくてうん、うんとなるなど。よいドラマ。