天気の子
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公開年 : 2019年
監督 : 新海誠
制作会社 : コミックス・ウェーブ・フィルム
上映時間 : 114分
仕事しながら再生速度少し上げて観てしまった。
とにかく画面はバキバキですごい。
雲とか空とかバキバキで新海誠の風景描写に対する欲求のオーガズムみたいなものを感じる。
『君の名は』よりもよくわからない展開が抑えられている分シンプルで良かったと思う。
登場人物たち感情の動きは単純過ぎてこわい。
公開時に観に行った知人が、拳銃を人に向ける行為などの扱いが軽かったりする事などに憤っていて、その点について自分はそこまで強いネガティブな気持ちにはならなかったんだけど、似たような部分で、実際こんなに雨降りまくったら老人が「あのへんはもう水没しちゃったのよ」なんて呑気なこと言ってられないくらい悲惨な事態になるのをここ数年の現実の気候変動で知ってしまっているし、もっと言えば転居そのものだったりやその後の生活だってままならないだろうに、そういう部分が一切省略されている潔さについて、かなり暴力的なようにも感じた。
憤っていた知人と話してみたら、憤っていたのは背景などの画面設計に関してすごくリアルに見えるように作り込んでいるにも関わらず、帆高が人に拳銃を向ける行為などのリアリティについては都合よく処理しているような描写の軽さがよくない…みたいな話で、納得した。
話しながら、終盤に帆高が迫られる究極の選択みたいなやつとその結果についても、陽菜を救う事を即決することによる相当な代償について特に葛藤が設けられていない(上に書いたみたいな豪雨が続いた場合に引き起こされるであろう悲惨な光景)カジュアルさって相当だめなのかもなと思った。
そういえばゲームの『Life is Strange』もそういう選択を迫られる内容だったけど、そこに至るまでにプレイヤーが葛藤するだけの材料はきちんと用意されていて、『天気の子』を観た後で思い返せば丁寧なナラティブの体験だったんだなと思う。
空から落ちたりするシーンのスペクタクルに比べると、バイクとかチャリに乗ってる部分はビデオゲームみたいに見えてしまう。
警察に保護された凪に彼のファンである小学生女子が面会に来る場面なんかは面白かった。
再生速度を上げても平泉成の声が平泉成ですごかった。
東宝とかのマーケティングで決められている部分でもあるのかも知れないけど、劇中にあんなこってり歌を使わなくても見れる演出は出来てるのではと思う。