人間たちの話
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発行 2020/3/18
なんかすごく話題だったらしい。というだけあって面白かった。
各短編それぞれの世界設定の描写が、門外漢の自分にも科学的な知識に裏打ちされているっぽいのがビンビン伝わってくるのだけど、そうかと言ってSF作品にありがちな専門用語や独自の設定を無暗に列挙してくるドヤみが無くて、とても読み心地の良い文体だった。
地球外の生命体を探す人類にとって何をもって生命と呼ぶのか、みたいなアカデミックな感じの話だった表題作の「人間たちの話」と、漫画みたいな宇宙人が次から次に出てくる「宇宙ラーメン重油味」がそのすぐ後に収録されてるのは、だいぶ人を食ってるようで面白い。
こういう科学的な教養と、それを使って馬鹿馬鹿しい事を想像しつつ真面目に描写する能力って羨ましいなと思う。
どんな時代でも、惑星でも、世界線でも、最もSF的な動物は人間であるのかもしれない……。火星の新生命を調査する人間の科学者が出会った、もうひとつの新しい命との交流を描く表題作。太陽系外縁部で人間の店主が営業する“消化管があるやつは全員客"の繁盛記「宇宙ラーメン重油味」。人間が人間をハッピーに管理する進化型ディストピアの悲喜劇「たのしい超監視社会」ほか全6篇を収録。稀才・柞刈湯葉の初SF短篇集。
いんよう!でのレビュー
https://anchor.fm/inntoyoh/episodes/91-edksu8/a-a241fj6
https://anchor.fm/inntoyoh/episodes/92-edpkcq/a-a24v4cn
https://anchor.fm/inntoyoh/episodes/128-epd0k9/a-a4edqea