ルーシー・イン・ザ・スカイ
https://www.youtube.com/watch?v=vQP-L2pJzmk
公開年 : 2019年
製作会社 : Fox Searchlight Pictures, Pacific Standard, 26 Keys Productions, TSG Entertainment
上映時間 : 124分
宇宙飛行士モノと思ってみたら、最終的に痴情のモツレで傷害事件おこしてしまうひとの実話ベースの物語で、序盤に予感させる雄大さからすると話の帰着がなんだかしょうもないといえばしょうもなく、そんな話なのかよ!って言いたくなってしまうかも知れない。
確かに宇宙飛行士の宇宙での経験やプレッシャーからくる精神不安的なものを扱ったテーマだと思うと興味深いけど、そうならそうで元の実話にとらわれないで、もう少し深刻な事件に展開してもよかったような気もする。
全体的な、特に事がうまく進んでいる前半のカメラワークがとてもゆったりしてアングルも静的なのはかっこよいし、最初の宇宙でのミッションの経験から、主人公のルーシーは地球での日常生活には退屈さを感じていて、2度目の宇宙行きを渇望し選抜までのミッションにのめりこむという心情のギャップが、画面のアスペクト比がぬるぬるワイドになったりスタンダードになったり音の定位が変わる事で表現されているのはわかりやすい。けどそれだけのような気もして、ビジュアルの面白さとしては好きだけど、深み的なやつをもたらしているというような事にはなっていないように観終わった後で感じるのも、結局物語の結末のせいなのではと思う。
ブラックスワン以降に定着した、ナタリー・ポートマンの内々の激情がバーストしてくタイプの演技はすっかり板についていて良かった。