ビリー・リンの永遠の一日
https://gyazo.com/74bb6fbac5af149e62da82b735970237
公開年 : 2016年(日本未公開)
監督 : アン・リー
制作会社 : TriStar Pictures
上映時間 : 112分
新潮クレストブックのラインナップでタイトルを見かけて気になっていながら未読のままだった小説の映画版がwowowでやってたので録画して観た。
戦争映画というよりアメリカについての映画で、邦題は「永遠の一日」だけど、原題では「Long Halftime Walk」となっているように、イラク戦争から一時帰国した兵士たちの数日間がアメフトのハーフタイムショーと重ねられていて、戦争でさえもプロスポーツや映画のようなショーとして消費してしまうアメリカ社会のグロさを描いた作品。
面白かったのは、主人公たちの英雄的行動を映画化するしないの電話交渉を、物語のはじめからクライマックスまでずっとクリス・タッカーがしているのに全くまとまらないのだが、ようやくオファーがまとまったと思ったらベトナムにも行ってないジジイから二束三文みたいな契約金を提示された挙句「君たちの物語はアメリカの物語なんだ(だから安い金額しか払えないけど映画を撮ろう)」などとゴチャゴチャ言われ、どっちらけた主人公が「我々の戦いは物語や理想ではなく我々の人生だ」「あなたは何もわからず別のものにしようとしている」と言い放つ場面で、あらゆる物語を消費しつくそうとするコンテンツ産業に対するツッコミに溜飲が下がる。
途中主人公が一目ぼれし、関係を持ちそうになるチアリーダーのマッケンジー・リーが超かわいかったのに、最後の別れ際に結局こいつもかよみたいな事をさらっと言われてしまうくだりは辛かった。
ラストでガネーシャの置物が象徴的に出てくるのが印象的だったのだけど、それが含意するものについてはまだ読み解けてない。