お耳に合いましたら。
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放映開始 : 2021年7月
放送局 : テレビ東京
エピソード数 : 全12話
自発的なコミュニケーション能力に悩む主人公の美園が、好きなものについてはべらべら勝手に喋れるんだからと仲の良い同僚の亜里沙にけしかけられる形で、自分の好きなチェーン店グルメについてのポッドキャスト番組を始めるところから始まる1話完結型のドラマシリーズ。
テレ東お得意の「孤独のグルメ」的なフォーマットをベースに、「チェンメシ」なる代理店が無理やり流行らせる為に作ったようなハッシュタグっぽいワードで武装したチェーン店グルメというネタをのせ、Spotifyとがっつり組んでのポッドキャスト配信というモチーフを使ってラジオファンにも目配せしつつ、元乃木坂の伊藤万理華が主演でEMCの松本壮史が監督で脚本マンボウやしろという刺さる界隈にはPRしなくても勝手に刺さりに来てくれるサブカル感ある座組…と企画書的な部分での気合はびんびんに感じるのだが、それを各話20分強という枠のドラマでやるには明らかに要素を盛り過ぎていて、ケミストリーもなくそれぞれ不完全燃焼というか消化不良をおこしてしまっていたのが残念で、その辺のギミックはいいからもっとそれぞれの魅力的なキャラクターを掘り下げて普通にまつまる漬物の面々の芝居を見たかったと思ってしまう。 お決まりの録音パートで登場するラジオレジェンドなるゲストのラインナップも結構大味で、美園の趣味が設定以上に働かずにキャラクターの描写にそこまで役立ってないのももったいないと思う。20代のラジオ好きな女性の目の前に、吉田照美とクリス・ペプラーと坂上みきが出てきてテンション上がるのか…?みたいな。いや本当にラジオ好きな人は逆に聴いてそうなのかもしれないけど、それならそれでそれなりのキャラクター描写になるはずではっていう。
チェーン店グルメに関しても、ポッドキャストで熱っぽく語られるその魅力が思い出語りに頼り過ぎていて、自分が期待していた、あえてチェーン店に行く面白みとは少し扱われ方がずれていたのが肩透かしになってしまった気がする。
…と、企画の根幹的な部分で言いたいことが無限に出てきてしまう作品ではあったんだけど、俳優陣や演出の仕事はどれも面白かったし、伊藤万理華さんと井桁弘恵さんがチームアップしている時点で大体大丈夫です。 2話でハードオフなどを巡りながらチームお耳の3人で機材を揃えにいくシーンがよかった。