Pearl
https://www.youtube.com/watch?v=5YJ6sVFMdzA
『X』はA24が往年のジャンル映画をツボを押さえて上手くやっちゃうぜ的な作品だろうか…とか思いながら観ていたところ、普通に悲しい背景のある話で、ホラー映画の加害者の被害者性みたいなところへの言及がちゃんとなされていたのが良かった。 それで「人間こうなっちゃうのも理由があるのだよな…」などとエンパシー的な眼差しを向けていたら、どんどん犯人のサイコパス描写が上がっていき、最終的には「こいつは殺されるのもやむなし!」となってしまうので、なんというか複雑な気持ちになりはするのだがスカッともする。
その続編であり前日譚であるところの『Pearl』。その「こうなっちゃった理由」がまるまる描かれており、家庭における妻もしくは母親が抱える抑圧と、更にその娘がうける抑圧みたいなものが明示されていて、元々ちょっとおかしな挙動はあったにせよ、脈絡もなくサイコパスがバーストしたわけではないという事がタイトに表現されていて、こちらも『X』以上にとっても良かった。 てか、いろいろあるけどどっちもまず各年代のメディアに合わせたような映像のルックがいいし、とにかくミア・ゴスがすごい。
『X』と『Pearl』相互でいろんな要素をきちんと絡めてるのも丁寧でそれを追うのも楽しかった。更にもう一本『MAXXINE』が控えているようなので、それも絶対に観る。