想い出づくり。
https://www.youtube.com/watch?v=iplfPdQimF8
table:
放送期間 1981.9.18~12.25
エピソード数 全14話
2024.5.6
山田太一脚本で、81年放映のTBSドラマ。
何年か前の年末に日本映画専門チャンネルでぶち抜き放送していたのをハロプロ楽曲大賞の編集作業しながら流していて、中途半端にうっすら見た記憶しかなかったんだけど、こないだのアフター6ジャンクション2の山田太一特集で日比さんが語っていたのに追随してU-NEXTで8話まで観た。面白い。
80年代初頭の作品ながら今になってようやく広く声高に訴えられるようになった女性の不利な立場のあれこれが既に描かれていて、先見性があるというかなんというか、この頃から疑問視して指摘するようなものがあったのになかなか社会は変わらないんだなと思ってしまうのと、時間がかかるから言い続けなきゃいけないのだなと思うしかないのと。しかしそれぞれの家庭環境の中での家族とのやりとりにいろんなテクスチャーがあって面白い。
にしても7話までの柴田恭兵さんの役が端的にクズでひどい。今の価値基準で昔のふつうを生きていたひとの事をばっさり斬り捨てるのは良くないけど、やっぱり出てくる男が軒並みひどい。そんな中、田中裕子さんの父親役で出てくる佐藤慶さんもざっくり家父長制を押しつけてくるだけのキャラクターなのかと思いきや、彼は彼で社会に生きていてふとつらくなる事があってある騒動を起こしてしまうのだけど、それに際して娘の前で漏らす独白がしょうもない話ではあるのになんか凄くてよかった。今であれば「ミドルエイジクライシス」だとか、あるいは結構違うけど「弱者男性」みたいな言葉のラベリングで処理されかねない話ではあるけど、そういう言葉のラベリングに頼らない語りだから出る厚みなどがあると思う。
しかしなにはなくとも主人公の3人が可愛くて、特に田中裕子さんの気だるそうに突っ張ってる様子が最高。
2024.5.24
最終話まで観た。
感想としては先週とそれほど変わらず、男中心社会や家父長制の理不尽さとそれを突っぱねたい女3人の話にやきもきしてしまうドラマ。それを男の自分がシスターフッドって言葉でざっくりまとめるのには抵抗あるけどこれがシスターフッドじゃなかったらなんなんだという。
しかし、あれこれつっぱっていたとは言っても、それは結婚そのものへの疑問というよりは、家などから押しつけられる結婚が嫌というだけの話ではあって、最終的には久美子ものぶ代も、初めは嫌だなと思っていたような相手と結婚することを受け入れるし、香織は結婚しないルートもありそうだったのが最終話の土壇場になってほとんどギャグみたいな展開から根津甚八演じる根津甚八激似の男とあれよあれよという間に結婚しまって、今でも全然通じる話だったとは思いながらも、結局のところは結婚するのがとりあえずの幸福な生き方みたいな結末はなんだか寂しいような気もしてしまう。
なので個人的に最終話はエピローグというかファンディスク的なものに入っているおまけみたいな位置づけで、最終話直前の12話と13話がこのドラマのクライマックスであり本質だったなと思うというか、思いたい。3人で酔っぱらいながらふざけた帰り道に、男からちょっかい掛けられたのにむかついてボコスカ反撃するくだりとか「デスプルーフ」みたいでとても良かった。