プリシラ
https://www.youtube.com/watch?v=DBWk6BohVXk
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公開 2023.10.27 (US), 2024.4.12 (日本)
エルヴィス・プレスリーと若くして結婚し、その後離婚したプリシラ・プレスリーの半生を描いたソフィア・コッポラの映画。
ソフィア・コッポラがプレスリーの映画を撮ったという事にそんなにピンとは来ていなかったのだけど、見てみたらなるほど他の作品の構図とよく似た、ある時期ある環境に囚われた少女の話だった。
そもそもエルヴィスについてよく知らなかったので、あんなに若いというよりは幼い女性に早くから目をつけて、その後結婚までしていたという事実にまずドン引きする。劇中では無理なセックスはしていなかったと描かれていたので、まあほとんどアウトのギリギリセーフという事なのかもしれないが。
そんな感じなので、映画は若くしてエルヴィスと結ばれたプリシラの夢物語のようなものをキラキラ描写するなんて事はもちろんなく、めちゃ高身長のエルヴィスと小さいプリシラが並んだ時の見た目のアンバランスさから、危なっかしい権力勾配とかを明示しつつ、そこが自分の居場所ではない事を悟ってプリシラが自立するまでにフォーカスした映画になっている。
なんて、別に今更そういうものを映画から読み取ったからって、何かエキサイティングに感じる訳でも無いし、正直そこまで面白くはなかったのだけど、エンディングでグレースランド(エルヴィスの家)から出ていく時に、家政婦や会社の女性スタッフらとハグして別れるところではグッとくるものがあり良かった。
プリシラに扮したケイリー・スピーニーは、西ドイツで親元にいた時の普通の学生な装いから、エルヴィスとくっついて彼の好みを強要された結果めっちゃ痛々しい感じになっていくファッションの変化が際立つ、身体的な意味でもぴったりな配役。というか、とにかく西ドイツでの学生服姿がかわいい。