シビル・ウォー アメリカ最後の日
https://www.youtube.com/watch?v=aDyQxtg0V2w
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公開 2024.4.12 (US) 2024.10.4 (JP)
内戦が起きてしまった近未来のアメリカで、大統領に取材をするべくジャーナリスト4人がニューヨークからワシントンDCに向かう話。
観る前は「大統領選を前にしてこんな映画やって大丈夫なんだろうか」くらいの事を考えていたのだけど、いざ見てみると、そもそもどういう思想の衝突で分断が生じたのかであるとか、分断がどういう経過を経て内戦にまで拡大してしまったのか、みたいなことは結構ぼかされており、とにかく起きてしまった内戦があって、その苛烈な状況下で奔走するジャーナリスト達の姿というミクロな物語に絞られているような印象。
分断が起きているという設定の背景は現実とリンクするものだし、劇中アジア人としてはショッキングだけどまあそういう感じですよね、となってしまう展開もあったりするせいで、そこそこ精神的に負荷を感じるような部分もあるのだけど、それでも意外とただフィクションとして楽しんでしまって、見終わったあtで自分に対してちょっとモヤモヤもした。
もっと現実に即した社会派の映画であれば「戦争がいかに虚しいものか」とか「ジャーナリズムとは」みたいな問いかけが行われるのだと思うのだけど、それよりは戦争という異常な状況下でのカメラマンとして狂気的なゾーンに足を踏み入れていく高揚感と背徳感を突きつけられるような作りになっていたのは、DCに向かうまでのさまざまな狂気的な状況を重ねていくロードムービー的な構成と相まって、結構『地獄の黙示録』っぽいなとも思った。
直接映画とは関係ないのだけど、この映画でケイリー・スピーニーと共演したキルスティン・ダンストが彼女の事を気に入って、『プリシラ』の準備中だったソフィア・コッポラに推薦したっていうのはいい裏話だなと思います。