『ベーシック・インカム』
第1章 所得分配と貧困の現実 ――生活の安心は企業ではなく国家が守るべし
はじめに
現実の所得分配状況と再分配政策
BI思想の活性化
負の所得税の概念図
負の所得税と現実
給付レベルに現れる哲学の相違
BIと富の正当性
近衛の危険思想の背景
アジアの共産化をもたらした日本のアジア侵略
存在しえなかったABCD包囲網
明治の元勲の富の認識
ウォール街を占拠する人はいても……
富の正当性が疑われている
報酬返還の議論
報酬返還の実例
パレンス・パトリエ政策の限界
日本政府はパレンス・パトリエであるのか
ケースワーカーの不正関与
日本政府は必要な家父長の役割を果たしていない
BIの思想を整理する
第3章 ベーシック・インカムは実現できるか
はじめに
BIは給付と税が一体の制度である
代替財源と考えられるもの
貧しい人々の人数とBIの水準
二兆円とインセンティブのための費用
BIと所得階級ごとの関係
給付水準と実行可能性
比例税についての修正の余地
日米の所得格差と累進課税の影響
BIの水準は低すぎるか
医療保険制度をどう扱うか
なぜ豊かな人にもBIを支給するのか
結婚税を避ける
BIと資産保有
労働意欲を阻害するか
BIは賃金を引き下げるか
BIと移民
夢追い人を増やさないか
BIの付随的利点
またそれは、政府が人々の銀行
BIと地域
事実として地方にもさまざまな産業がある
BIと富の正当性
バラマキ政策は悪くない
バラマキでない農業政策は何をもたらしたか
バラマキでない林業政策とはいかなるものか
震災復興も一律給付で可能となる
高台移転のコスト
結語
おわりに――国家は貧困を解消できるか