◎ 2018年8月1日(水) 「再校も終了」
構成と前文は、以下の通り。
I. 事実性と様相
1.否定と最小様相
2.事実性から現実性へ
3.ラッセル的拒否感の役割
II. 様相の潰れと確率の潰れ
1.事実性と様相の潰れ
2.様相の潰れから確率の潰れへ
III. 選択と賭けと祈り
1.選択と賭け
2.賭けと祈り
本論文は 、「事実性」と「様相の潰れ・確率の潰れ」と「賭け」の三者を、同種の中間的なものとして描き出そうとする。三者はいずれも、現実性とシステムが鬩ぎ合い拮抗するところに出現する中間であり、両極性を持つ。
現実性とシステムとその中間を考察するために、各章(I・II・III)では、以下の題材を扱う。Iでは、ラッセル的拒否感(命題は様相を持たない)を素材にして、現実性と様相の中間に、事実性を位置づける。IIでは、様相の潰れ(現実=可能=必然=偶然)と確率の潰れ(現実の確率は常に1/2、確率の数値は現実には意味がない)に注目して、現実性によってもたらされるシステム内の歪み(潰れ)としての中間を考察する。IIIでは、選択と賭けと祈りを比較対照する。システム内で安定的に働く「選択」から始めて、そこから逸脱していく方向性を持つ「賭け」を経由して、神=現実性を志向する「祈り」までを辿る。この辿りの遂行を通じて、賭けの中間性を浮かび上がらせたい。
【2018年8月1日記】