Menkel-Meadow lecture at Singapore
https://www.youtube.com/watch?v=eEkXPgGGtvQ
Mediation 2.0は良くなかった。Mediation 3.0へ。
EU Mediaition Directive についてのレポートが出た。
2020/9/7
ソロモン王の逸話
子供の手をひっぱりあった時 手を離した方が本当の「親」
Geminiによる要約。
ご提示いただいたYouTube動画は、2017年10月に開催された「第6回シンガポール調停レクチャー(Singapore Mediation Lecture 2017)」の映像です。
カリフォルニア大学アーバイン校のキャリー・メンケル=メドウ(Carrie Menkle-Meadow)教授が登壇し、「調停(メディエーション)3.0:古きものと新しきものの融合」というテーマで、調停の歴史的な変遷と、現代のテクノロジー(オンライン紛争解決:ODR)がもたらす光と影について講演とパネルディスカッションを行っています。
主要なポイントを以下に要約します。
1. 調停の歴史的変遷(1.0から3.0へ)
調停 1.0(古代・伝統的アプローチ): 03:04 旧約聖書の「ソロモン王の裁判(1人の赤ん坊を巡る2人の母親の争い)」を例に、古代の調停はコミュニティの「賢い長老(Wise Elders)」が当事者間の合意を導くことから始まりました。アジア(儒教精神)やアフリカ(Ubuntu精神)など、コミュニティ全体の調和や将来の関係性を重視する文化が根底にあります。
1970〜80年代の米国を中心に、裁判の長期化や高コスト化、対立を煽る司法制度への不満から、裁判に代わる選択的紛争解決(ADR)として制度化が進みました。しかし、裁判所が調停を義務付けたことで、当事者が対話せず調停人が一方的に決定を下すような「調停ライト(簡素化された調停)」や、法的規制の不足による問題も生じました。
調停 3.0(テクノロジーとの融合): 34:21 インターネットやAIの普及に伴う「オンライン紛争解決(ODR:Online Dispute Resolution)」の時代です。
2. テクノロジー導入(ODR)のメリット
裁判所に行けない過疎地の人々でも、PCやスマホから簡単に手続きができるようになります。
AmazonやeBayのような大量かつ少額の商取引トラブルにおいて、アルゴリズムを用いた自動解決が極めて迅速に行われます。
Eメールなど非同期のコミュニケーションを用いることで、対面での感情的な激突( acrimony )を和らげる効果があります。また、難民キャンプの紛争解決など、規模の大きいコミュニティ対話への応用も可能です。
3. テクノロジー導入(ODR)の懸念点・リスク
「ロボットによる正義(Algorithmic Justice)」の危険: 43:10 複雑な法的背景や当事者の感情を無視し、「もしXならY」というアルゴリズムだけで機械的に処理されることで、真の正義や人間的な和解が損なわれる恐れがあります。
調停のためにアップロードした個人情報や機密情報がハッキングされるリスクや、SNS(テキスト、チャット)でのやり取りに守秘義務が適用されにくい問題があります。
アルゴリズムのコードを書く開発者や、資金を提供する大企業・政府にとって有利なプログラムになる偏向性のリスクが指摘されています。
4. 結論と提言:プロセス・プルーラリズム(プロセスの多様性)
教授は「One size does not fit all(一つの方法がすべてに当てはまるわけではない)」という持論を展開しています 01:10:06。 Amazonでの本の配送トラブルのような単純な不満であれば、AIやアルゴリズムによる解決が最適です。しかし、家族間の離婚問題やコミュニティの深い対立、修復的司法(Restorative Justice)が必要なケースでは、人間同士が対面して感情を分かち合う「純粋な調停」が不可欠です。紛争の性質に応じて、テクノロジーを「代替」としてではなく「サポートツール」として賢く使い分ける視点が求められています。