密教
かつての日本では、密教といえば空海を開祖とする真言宗のいわゆる東密や、密教を導入した天台宗での台密を指したが、インドやチベットにおける同種の仏教思想の存在が認知・紹介されるに伴い、現代ではそれらも合わせて密教と総称するようになっている 概略を説明すると、密教成立の背景には、インド仏教後期においてヒンドゥー教の隆盛によって仏教が圧迫された社会情勢がある。ヒンドゥー教の要素を仏教に取り込むことでインド仏教の再興を図ったのが密教である。しかし結果的には、インド仏教の密教化はヒンドゥー教の隆盛の前にインド仏教の衰退を防げなかった。