発想法 創造性開発のために
https://gyazo.com/99db967b9d5999ef2a2ca7da9181866e
発想法 創造性開発のためにからの示唆
研究(知的生産の一つ)における普遍的なTechnicを紹介している本
https://gyazo.com/1165fef40f8f87a9d7f05b3aad1ca103
上図は「研究(=知的生産)」の流れを作者(川喜田二郎)が整理したもの
今までは「研究テーマに関して思考/検証を進め、論文を作る」までしか言語化・体系化されていなかった
「第2図」のD→H部分
PERTなど、「おぼろげに見えてきたもの(=研究テーマ)を最後まで終わらせるTechnic」も生まれてきた
この本では「第2図」のA→D部分に焦点が当てられている
Mainはそもそも研究テーマ(未知のidea)をどう思いつくか
すでにブレインストーミングが有名になっていたが、力不足だった
確かに参加者のidea出しは促す
一方、idea同士の掛け算/統合された素晴らしいideaの創発は促せていない
ブレストを補完するクリエイティブな手法としてKJ法が初めて紹介された。
この本からは以下を得られる
研究者から学ぶ「観察」「資産となる記録」のやり方
野外科学にてたくさんの「観察」「記録」「発想」をしてきた人のHow to
社会が変化し「知的生産」の技術が競争力の源泉
具体的には「ナレッジマネジメント」「テキストコミュニケーション」「エンジニアリング」あたり
野外科学者は地球を対象に広く深く観察/研究し、新しい洞察を得て論文にしている。
研究対象は一人では到底カバーできないため、研究室や学会といった組織単位での活動が不可欠。
野外科学者たちは以下技術を持っていると言える
「自分が体験したものをドキュメントで残す技術」
「他人のドキュメントから、自分が経験していないことを学び取る技術」
「つながりの見えない情報の山からつながり/気付きを得て、全体に一貫する本質的な示唆を得る技術」
研究者から学ぶ「人間観察」の仕方
https://gyazo.com/7d24b448edb0fa589a5ff3338e90f0c8
川喜田二郎
記載内容を理解する上での前置き
研究者から学ぶ「観察」「資産となる記録」のやり方
研究者から学ぶ「人間観察」の仕方
第一は「類型的行動」である。人間の行動は、あるまとまりを持った単位に区切ることができる。すなわち、ひとまとまりの行動である。この単位的な行動は、これを類型的にまとめて表現することができる。たとえば、散歩、食事、出産、討論、恋愛、お祭り、農耕、戦争、など。そしてこういう類型化された行動に対して、当事者たちはさまざまの名前を与え、概念を用意している。それでこのような類型化された行動の名前とか概念とかについて、調査しなければならない。
第二は「状況」である。すなわち、その人間のその行動はどういう状況のもとでおこったか、どんな背景の中でおこったかということである。もっと細かくいえば、いつ、どこで、どんな事情とか原因から、などを含んでいる。
第三は「主体」である。「だれが」もしくは「なにが」ということである。
第四は「対象」すなわち「誰を」あるいは「誰に」もしくは「なにを」あるいは「なにに」ということである。
第五は「手段方法」。すなわち「いかなる手段方法によって」という点をあきらかにしなければならない。
第六は「目的」である。すなわち「なんのために?」である。
第七は「結果」である。すなわち「その結果どういうことになったか?」ということである。和解する目的で話しあったが、結果は決裂であったなどということがあるから、目的と結果とはかならずしも一致しない。
一例をあげれば、「日本には、ジャンケンポンという優先順位のきめかたがある(類型的行動)。昨晩父親がみやげに大小二個のお菓子を持ち帰ったとき(状況)、太郎君は(主体)花子ちゃんに(対象)、片手を使って(手段方法)、ジャンケンポンに(勝つためにやって)勝った(目的)。そこで、大きいほうのお菓子をたべた(結果)」というようなものである。  
引用:発想法 創造性開発のために
川喜田二郎の「発想法」は野外科学(フィールドワーク)の手法
https://gyazo.com/64549063b8132d7b33e95803a9830bd6
https://gyazo.com/3c6cb00722b974a3c747f6504d1f3a15
内部探検:自分の内側
外部探検:行ってみて実際に感じたこと
観察:
観点に基づいてメモを取る
分類:たくさんあるカードの分類(ITにおいては必要性薄い)
整理
ここでKJ法が登場する
カードの作り方やmtgでのカード分類方法はここで議論される
memo.icon
実際に企業においてもKJ法の実施がなされ、有名になったtsawada.icon
一方、KJ法は体系的な全体のうちの一部
https://gyazo.com/911c946f53d0017fc7a919dea7f8dcf2
探索ではなく探検である
探索:探し物がわかっていて探しにいく
実験科学
探検:何も決めつけない。情報を全て拾う
野外科学
定量的(狭い範囲をしっかりと)に探すことは困難。定性的に拾っていく
大事な態度は「なんとなく関心をひく情報」はなんでも集めるという態度
あとでどう役に立つか?は考えてはならない。
ここで大事なのは「理性」ではなく「感情」
ブレインストーミングは探検の手法
しかし探検後がひどい。
「出てきたアイディアをただ列挙して、チェックリストにする。ついでそこに枚挙されたアイディアが良いアイディアかどうかしらみつぶしに試していく」
トライアル・アンド・エラー
やってみてダメならば捨て、良ければ拾う
集めてくる情報に必要なのは
とき:いつ生まれたのか
ところ:どこにあったのか
出所:どこから出てきたのか
採集記録者:誰が持ってきたのか
この4つが備わっているデータは、いざ使うときに、何年経っても、生き生きと動き出してくる
人間の記憶構造において、観察内容に構造性があると、断片的な符号の一組を与えられるだけで、ずいぶん復元できる
だから探検中はメモだけでもいい。
ただしメモはすぐに情報を復元する(川喜田先生は夜にやってらっしゃる)
Scrapboxでいうと、リンクが符号のイメージ
https://gyazo.com/89ed8bba9738008e386966426246140fhttps://gyazo.com/5810e94826b7bb48910811bd9d69f275
分類を綺麗にやっても、資料が自然にうまくまとまることはない
分類というのは本来、同じ分類項目に入った資料に、なんらかの共通の性質があるという「同質性」に着眼してグループ分けしたもの
資料をまとめる。において
単に同質的なものの要約と分類では不十分な場合がある
ぜんぜん性質の違う、比べられない資料同士を集め、組み合わせて、意見を見出すのが大事
このまとめ方がKJ法
KJ法A型
https://gyazo.com/29855fbd3217cf20a4f0f9af43e8d78f
職場では「関係のありそうなこと」を関係者全てで探検をするのだ
頭の中を探検する。
そのために一度吐き出す
https://gyazo.com/30fcce81486e456aadca96834717f236
https://gyazo.com/911c946f53d0017fc7a919dea7f8dcf2
ブレインストーミングの精神で互いに意見を出し合うと、主題らしい中心点をめぐって多種多様の意見が出る。意見を出す基準は、「主題の中に、ぜひこの点はどこかで含まれるように配慮してほしい」という、各人の要望である。
この際に批判禁止の条項が有効に働く
A型で配置して左脳的に図解を行い、B型で話して右脳的に修正をしていく
MTGでKJ法するには記録係が必要
大事なのは「討論における発言のエッセンスを、片っ端から紙きれに記録することである。」
一人でやる場合は「1行見出し」がまさにそれ。
速記するのではない。
タバコ吸っていて良い。
常に考え続ける。
発言内容を捉え、
「今彼は、要するに何を言わんとしているか」ということに耳を研ぎ澄まして聞き入り、
「彼の述べた意見のエッセンスは何か」ということに一種の思考力を集中する
エッセンスを、適切で簡潔な自己流の表現でメモ用紙に記録する
相手の言葉にズレがある場合もある
1行見出しは日本人男性は厳しい
やりがちなこと
発言内容のエッセンスを難しい述語や固い熟語で、妙に高度に抽象化しすぎた1行見出しを作りがち
やるべきこと
なるべく柔らかく、もとの発言の肌触りができるだけ伝わるようにと表現するのが良いのだ。
元の発言の土の香りをなるべく伝えた1行見出しが良いのである。
一般化すると
抽象化能力が高いと「不必要に概念的な言葉で物事を考えすぎる」に陥りやすい
「せっかく圧縮した1行見出しが、実態と離れたシンボルと化してしまう危険性がある」
1行見出し作り。言い換えると、「単位化しかつ圧縮化すること」である。
この過程はコンセプトフォーメーションと言える。
文字通り概念作り
1行見出しという表現を圧縮すると、P Tとかの符号にもできる。
概念を頻繁に使う場合、Pとして記号化することになる(略称を作る)
厳密ぶった化学の用語・学者の用語や符号も、実はいつかの昔に、1行見出し作りと同じような概念づくりの操作を経て、約束事として作った歴史を持っている
一度作ったら便利。
「t」という符号を見たら「時間」を思い浮かべる。
1行見出しはここまで煮詰めない。
ゆるやかにする。ここに大切な味がある。
緩やかだから「定義文章を補足説明する必要性」が減るsawachin.icon
2時間の討論では、紙切れが数十枚〜百数十枚
グループ編成では「親近感を覚える紙切れ同士」を近づける
紙切れの小チームを作る
作った後に「なぜ自分はこの5枚の紙切れを集めたのか」を理性的に反問する
あとで言語化するイメージsawachin.icon
「なぜこの5枚を集めるべきか」は5枚の紙切れの内容が語りかけてくる
これが大事sawachin.icon
自分の主観ではなく紙切れ(データ)をちゃんとみる。
「吐き出された意見・情報それ自身が語りかける示唆に素直に耳を傾けていたらば、自然にこういう風に編成されてきた」となるのがKJ法
https://gyazo.com/080f68af2a82b5921d70198ed69ae54b
KJ法A型
https://gyazo.com/29855fbd3217cf20a4f0f9af43e8d78f
空間把握
「落ち着きの良い理解の仕方である」という空間把握が1つは見つかる。
見つからない場合は「紙切れのたば+1行見出し」が間違っている
この置き方が最適か?を検証する方法は
「空間配置が意味するところの内容を、試しに口の中でつぶやいてみる方法」
スラスラ説明できて、内容がつながって言葉になるなら、いい理解の仕方
悪い場合はどこかで引っかかる。
図解の利点は、ひとめで全体構造がわかること
それまでの曖昧さから、「的確になった」という感じを受ける
図解は「大分けのチーム」からやるのが吉。
これはグループ編成と別